過去ログ - キタキタオヤジ「北北中学出身、アドバーグ・エルドル」キリッ  キョン「!?」
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441:名無しNIPPER[saga]
2015/02/14(土) 01:33:02.59 ID:BaqucDQN0
ハルヒは俺の姿を見つけると、まるでデートの待ち合わせのように俺に向かって手を上げかけ不意に何かを思い出したかのようにすぐに下ろした。いつもの眉を寄せている顔へと変わる。

ひょっとしたらあいつ、いわゆるツンデレと呼ばれる人種なのかもしれないな、などとぼんやりそんなことを思ったな。

ただまあ残念なことにも、俺は残念なお知らせをハルヒに告げなければならないのだ、まことに残念だ。

今回の市内探索に参加するのは前述した通り俺とハルヒの二人だけなので、今回は中止ということになる。あいつだって俺と二人きりで散策なんかしたくないだろうしな。相手がハルヒではこの結論も仕方あるまい。

俺はたったか早歩きで近寄っていき、ハルヒにそのことを告げようと口を開いた時には別のことを言っていた。

「待たせたな、ハルヒ。迎えに来たぞ」

ハルヒは目を見開いて二・三回瞼をぱちくりとさせた。「キョン……。それって……」そんなハルヒに向かって俺はこう言っていた。

「約束通り来たぞ。長門たちは全員休みだそうだ。それでも良ければ行こうぜ。不思議探索するんだろ?」

俺は少し迷った末に手をためらいがちに差し出した。ハルヒも少し迷った表情を見せた後でその手をためらいがちに握る。

そして俺たちは並んで歩き出した。どこへ向かうとも言ってないのに足を進めた方角は何故かまったく同じだった。

やや不安げに握られていた手に、その時ほんの少しだけ力が込められた気がする。

そういえば新しい髪飾りをハルヒにプレゼントしなきゃならないな、何だって俺はあんなことを言っちまったんだろう、気の迷いってのは怖いな、なんてことを考えつつ。俺も相当なツンデレだと自分でも思う。


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