過去ログ - 提督「放置してみる」艦娘「放置された」
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8: ◆p5cDRlL7.w[saga]
2015/01/31(土) 15:09:22.18 ID:UZcVebBP0


谷風「ふぁ〜あ〜あ〜あっ……んー…………」

谷風「あー、暇すぎて死にそうだよー……」

提督「そんな理由で死んでたまるかっての」


 今日の出撃を終えた谷風は休息中。いつか設置したソファの上に寝転がって天井を見上げていた。
 部屋は他の陽炎型に占領されていて、とてもじゃないが寛ぐことができないというので暫定的にここにいる。だがここも一際静かというわけではない。
 時々誰かがやってきては報告をしたり、はたまた単に遊びにきたり……。彼女にとってはここが適している場所なのだろうか?


谷風「かぁ〜っ!なんか退屈ー……」

谷風「どっかに夜戦にでも行こうよぉ……」

提督「お前は川内か」

谷風「早く夜戦ー!夜戦夜戦夜戦夜戦ー!!」

提督「……第一次サーモン沖海戦」

谷風「……遠慮しときます」


 泣く子も黙る海域、通称「5-3」
 初戦からいきなりカットインの雨あられ、そこを抜けても戦艦の攻撃……。最近ではボスは制空が取れずに連撃のオンパレードと聞くから地獄だ。行けば最後、川内ですら涙目になって大破状態で帰ってくる。

 そんなところに送り込まれて堪るかと思ったのか、元気な谷風ですら丁重に断る始末。一気に部屋が静かになった気がしたが、これは間違いなく彼女が黙ったからであろう。


谷風「じゃあさ提督。少し条件を変えてみようか」

谷風「…………なんか暇つぶしになることってない?」

提督「随分と要求範囲が広がったな」

谷風「そこは気にしなーい」


 『何か暇つぶし』と言われてもそう簡単に出てくるものではない。ふと思いつくことなら多々あるのだが、暇つぶしをわざわざ考えるというのも新鮮だ。
 例えばトランプ。ババ抜きを筆頭に大富豪、スピードなど種類も豊富。これならいい暇つぶしにもなるだろう。
 しかし谷風はルールを知っているのかわからない。そもそもここにトランプなんてあっただろうか?何よりも在り来たりすぎる…………

 そうして次の案に思考を移したあたりで、背中に唐突な重みと衝撃が走る。


谷風「はい、時間切れ〜」

提督「……とりあえず背中から降りてくれ」

谷風「どうかなぁ……そいつは無理なお話だね」

谷風「谷風さんは提督と戯れて、暇をつぶすことにしたからね」

提督「…………はい?」


 背中を取られた時点で負けだった。忘れていたが背中のくすぐりに弱いのだ。それを知ってか知らずか、谷風は容赦なくくすぐってくる。
 いくらやめろと言っても、笑いと重なって震えたような声では全く説得力がないだろう。完全に谷風の思う壺というわけだ。

 「もう勘弁してくれ」と懇願する笑い声、「嫌なこった!」と言わんばかりの甲高い笑い声。
 執務室にはしばらくの間、この二人の笑い声が響き渡っていた。




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