過去ログ - 八幡「気の向くまま過ごしてた二人だから」雪乃「そうね」
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◆.6GznXWe75C2
[saga]
2015/01/31(土) 20:37:30.65 ID:BhSZj49po
イヤホンを耳に着けて部屋を出て、鍵を閉めたか確認して歩き出す。
ふと、一ヶ月前に同じ道を通った彼女のことを思い出した。
あの時、彼女の目には何が映っていたのだろうか。それが知りたくなって前を見てみる。
俺の目にはいつもと同じ風景しか映らない。
――その瞬間、ある光景がフラッシュバックした。
俺の前から遠ざかっていった、あの小さな背中。
あの時にも気づいていたが、彼女の肩は震えていた。
その寄る辺のない手も、同じように震えていた。
本当は彼女だって嫌だったはずなのだ。
でもそんな素ぶりを俺に見せてはならないと、必死に感情を押し殺していたのだ。
だから、もしかしたらあの時、彼女には何も見えていなかったのかもしれない。
どうしてか、そう思った。
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