23: ◆00ZRE1DaEk
2015/02/02(月) 23:03:55.09 ID:a9fMZ7id0
「いいのか?」
「はい、もう満足です」
結果として、千歳はいつもの半分も飲まなかった。
俺に合わせてくれたのだろうか。それならば申し訳ない。
「……千歳」
「はい。どうしました?」
言うのを躊躇ったが、呼んでしまったので腹をくくる。
「明日は……休肝日じゃないから……その、な」
腹をくくってなおこのどもり具合。俺は言い終わる前にたまらずそっぽを向いた。
だが、俺の言いたいことが伝わったらしく、千歳はクスクス笑いだす。
「ええ。また明日もご一緒してくださいね」
いつもより安い会計を済ませ、店を出る。
初夏の夜は夜風が生ぬるい。そんな風が俺たちを撫でた。
「……なぁ、千歳」
「はい。なんでしょうか」
もう彼女の酔いは覚めたらしい。
いつも通りの彼女だった。
酔っていないか尋ねようとしたが問題ないようだ。
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