過去ログ - P「ゲームの世界に飛ばされた」FINAL
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653: ◆bjtPFp8neU[saga]
2015/12/04(金) 21:54:56.55 ID:bIwZOdeQO

伊織「ジイ、私ね……」

伊織「私たちは、赤い悪魔に何回も助けてもらっているの」

家老「!?」

伊織「今、私がここにこうしていられるのは、もちろん春香たちのおかげもあるんだけど……」

伊織「赤い悪魔や、他の四天王たちの助力があったからなの」

家老「……そ…んな……」ヨロッ

伊織「聞いて、ジイ!」ガシッ

伊織「あなたたちの恨みを晴らせなかったのは悪いと思ってるわ」

伊織「でもね。私、気づいたの」

伊織「恨みや憎しみからは、何も生まれない。仇を殺したところで、その先にあるのは、自分も等しく命を奪ったという事実だけ」

伊織「……いいえ、それだけじゃない。その先の人生を、ずっと悔やんで生きなければならない」

伊織「誰かの命を終わらせた、という枷を、ね」

家老「しかし、だからと言って彼奴を許すわけには! 散っていった先代や王妃、仲間たちに顔向けが……!」

伊織「わかってる! エブラーナのみんなは、許してくれないかもしれない」

伊織「でも……!」

家老「お嬢……なぜ、そのように臆病になってしまわれたのじゃ?」

伊織「っ……!」

家老「あなたは紛れもなくエブラーナ王家の血を引く王女じゃ。その務めを果たす義務を、あなたは持っておる!」

伊織「わ、わかってるわよそんなの!」

伊織「何回でも謝るわ! みんなが許してくれるまで。それが、王女としての務めを果たせなかった私の罪だもの!」

家老「違うんじゃ。甘い。あなた甘い! 国を背負うという事をまるでわかっておらん!」

家老「……お嬢ができんのなら、ワシが行く」チャキッ

伊織「じ、ジイ!?」

家老「無念を晴らせませんでした。では通らんのじゃ」

家老「じゃが、お嬢はまだ若い。その責を負わせるのは酷なのかもしれん」

家老「やはり、はじめからワシが行くべきじゃった!」スクッ

伊織「ま、待って! ……待ちなさい!」ガシッ

家老「ええい、離しなされ!」グイッ



…バタンッ!



「待ってくださいっ!」




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