過去ログ - モバP「二兎追い人の栞」
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11: ◆m03zzdT6fs[saga]
2015/02/08(日) 08:50:48.27 ID:RKgN37bdo
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『うぅ、寒ぃなあ……』

 今年の冬は、一段と寒い。寒がりな僕としては、ちょっと勘弁してほしい。そう思いながら、ゆっくりと煎餅布団から身を起こす。

 寝ぼけ眼を擦りながら、キッチンの流し台で顔を洗う。流れる水の刺すような冷たさが、茫漠な眠りの海に漂っていた僕の意識を引き上げてくれた。

 そうして、顔を拭いて、小さなケトルに水を入れてコンロの上に置く。かちっ、かちっと二度ほどコンロを回すが、火がつかない。……どうも、今朝の機嫌は悪いらしい。

 仕方がないので、とりあえず煎餅布団を畳んで、傍のちゃぶ台に置いてあった眼鏡をかける。

 まあ、酷く目が悪いわけじゃないけれど、免許の更新の時に必要なくらいには、悪くなってしまった。昔は両目とも、1.5だったんだけれどなあ。

 そんな風に、ちょっとボヤキというか、愚痴というか、何とも言い難い事を思いながらコンロの前に戻って、かちっと一回。今度はついた。

 ゆっくりと一息ついて、僕はちゃぶ台の隣にある、折り畳みの小さな机を引っ張り出した。そして、その上にノートパソコンを置き、電源を付ける。

 四色窓のアイコンが表示され、かりかりかり、とハードディスクが忙しなく回転している音が聞こえる。やがて、立ち上がったノートパソコンのタスクバーから、メールを呼び出した。



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