過去ログ - 咲「京ちゃんの誕生日を祝いたい」
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2:名無しNIPPER[sage saga]
2015/02/02(月) 20:04:13.86 ID:zFzoT+qQ0
まこ「お前さんが欲しいだけじゃろ」
咲「それで、最近京ちゃん囲碁にハマってるらしくて……」
和「そう云えば須賀くん『麻雀が駄目なら囲碁だぜ!』とか言ってましたね」
3:名無しNIPPER[sage saga]
2015/02/02(月) 20:16:13.24 ID:zFzoT+qQ0
咲「でも私お金なくて……仕方ないから、染谷先輩の喫茶店でバイトさせてもらえないかなって……」
まこ「明日から一週間だけ働いてもらうつもりじゃけん」
和「でも、それじゃあ部活は出来ませんよ」
4:名無しNIPPER[sage saga]
2015/02/02(月) 20:17:13.07 ID:zFzoT+qQ0
久「須賀くんの為に、あなたが我慢する必要は無いって云いたいのよ。あなたがやせ我慢したって、須賀くんは喜ばないわ」
優希「な〜るほど東芝。それは一里あるじぇ」
咲「でも私がバイトしないと京ちゃんのプレゼントは買えないし」
5:名無しNIPPER[sage saga]
2015/02/02(月) 20:17:59.72 ID:zFzoT+qQ0
ある処に、それは若く、とても仲睦まじく、けれどもとても貧しい夫婦が居ました。
夫婦は、まるで浮浪者が寝泊まりする廃墟に、かろうじて屋根が付いているようなオンボロアパートに住み、日々食べるもの着るものに逼迫した生活を送っていました。
夫は売れない劇団員をやっています。
6:名無しNIPPER[sage saga]
2015/02/02(月) 20:19:27.55 ID:zFzoT+qQ0
夫が仕事を終えて帰ってくると、
「モモ、ただいま」
玄関に上がる夫に対し、妻は自分のことをすべて投げ出して、
7:名無しNIPPER[sage saga]
2015/02/02(月) 20:19:57.50 ID:zFzoT+qQ0
夫は、妻が前々から欲しがっていた美しい櫛をプレゼントしたいと考えていました。
妻は、夫に何か素晴らしいものをプレゼントしようと、前々から爪に火をともす思いで貯金していました。
ですが、今の夫に櫛など買うお金の余裕は無かったのです。
8:名無しNIPPER[sage saga]
2015/02/02(月) 20:20:27.56 ID:zFzoT+qQ0
一方、妻の方でもこの家のもう一つの宝を売ってお金を得ることを思いつきました。
もう一つの宝とは、自身が持つ両目まで垂れ掛かった二つの長い触覚のような前髪でした。
この前髪の美しいことと云えば、たとえどんな目立ちたがり屋のお嬢様でも、この二つの前髪が春風にそよぐ姿を見れば、
9:名無しNIPPER[sage saga]
2015/02/02(月) 20:26:38.53 ID:zFzoT+qQ0
たんまりお金を得た妻は、次に夫に何か良いものは無いかと色色な店を廻って捜しました。
夫は麻雀が好きだったので、何か麻雀に関係する物が良いと考え麻雀関連の店を捜します。
すると、ふと立ち寄った質屋で、それはそれは素晴らしい純金のリーチ棒を見付けました。
10:名無しNIPPER[sage saga]
2015/02/02(月) 20:28:31.53 ID:zFzoT+qQ0
それもその筈、夫が用意したプレゼントは妻の前髪にとても関係があるものだったのです。
妻は、夫の様子がおかしいことにとても心配してどうしたのか尋ねました。
「先輩。どうしたっすか?もしかして私の前髪が無くなったのを気にしてるっすか?」
11:名無しNIPPER[sage saga]
2015/02/02(月) 20:30:43.59 ID:zFzoT+qQ0
夫は礼を云って包みを開けると、それは自分が質屋に売った筈の純金のリーチ棒がありました。
「どうですか?先輩は麻雀が好きだから、喜んでもらえると思って買って来たっすよ♪」
「こ、これは……」
12:名無しNIPPER[sage saga]
2015/02/02(月) 20:31:20.59 ID:zFzoT+qQ0
久「と、云う話よ。この話の教訓は、自分が我慢して相手のために尽くしても無駄に終わると云うことよ」
優希「なるほど…昔の人はなかなか目の付け所がシャープだじぇ」
和(オー・ヘンリーの『賢者の贈り物』ですね……本当はお互い相手を思いやった贈り物をした二人を讃える言葉で締めるのですけどね)
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