過去ログ - 響「輝きの向こう側は…」
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17:魔法をかけて
2015/02/05(木) 11:44:22.40 ID:cXoZSP9h0
『大丈夫だよ。俺と千早が力を合わせればきっと声は届くさ!』

なんの根拠もない一言だった。でも、その言葉を聞いた瞬間に私の心は軽くなったような気がした。一人で背負い込まなくていい、私の夢を支えてくれる人がいる。それだけで私は救われた。それからの私は765プロで精一杯アイドルの活動を頑張った。歌とは関係ないことも多くやらされたが彼の真面目で誠実な姿を見ていると無下には出来なかった。彼は事務所のみんなから信頼されていた。特殊なカリスマ的なものが彼にはあったのだろう。彼は弱小事務所を少しずつ大きくしていった。彼に好意を抱くアイドルも少なくなかった。そして、いつしか私も彼に対して恋愛感情を抱いていた。しかし、それは叶わないと知っていた。そのことにも納得していた。なぜなら、彼にはパートナーがいた。「天海春香」私の唯一の親友。初対面の時の感想は普通だった。確かに可愛かったがアイドルとして頂点に立つ姿など想像すら出来なかった。しかし、彼女は変わった。彼が彼女を育て始めた。プロデューサーと春香は本当に最高のコンビだった。春香は見間違えるほどの才能を発揮した。プロデューサーは春香の秘められた力を見抜いていたのだろうか。

春香の知名度は一気に跳ね上がり、765プロの快進撃が始まろうとする時だった。961プロの妨害が始まった。アイドル界ではその名を知らないプロダクション。天性を秘めていた765プロのアイドル「星井美希」を引き抜き見事大成させた。私たちの宿敵である。私たちの仕事をことごとく邪魔をする961プロ、仕事一つ取るのも大変な状況となった。彼の仕事は苛烈を極めた。常人ならできないことも無茶をして通そうとする彼には重い負担がかかった。そんな彼が必死にとってきた仕事。それが961プロのアイドル「我那覇響」との対決だった。相手はまさしくトップアイドル。私たちに勝ち目はないように思えた。


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