9:魔法をかけて
2015/02/04(水) 16:05:51.71 ID:GUuysaGD0
美希「今日は千早さんよくしゃべるね」
そういうことか…。初めから変だったことに気づくべきだった。如月千早が裏切り者に対してこんなに優しくするはずがない。彼女は孤高であり気高く冷酷だった。私にはなれない、だから憧れた。自分には持っていないキラキラを持っている彼女に…。
千早「そうかしら?それより美希、大きな音を出したら周りの人に迷惑よ」
千早さんの言う通り、店内で多くの視線を感じた。それでも私は私を止められなかった。
美希「961プロに移って人気のでた美希のことがそんなに気に入らないの?」
自分でも言って最低なことはわかっている。私の人気はほとんど961プロのバックアップあってこそのものだから。結局のところ自分の力で何一つ手に入れていないのかもしれない。
千早「そんなことは思ってないわ」
千早さんは無表情を崩さない。そんなことは興味がないと言わんばかりだった。
私はそれが無性に腹が立った。私の苦悩や不安を馬鹿にされているようでどうしても我慢ができなかった。
美希「嘘なの!!さっきからみんなの話ばかりして、言いたいことがあるならハッキリ言って欲しいな!」
何かを隠すように話す彼女の言い方が気に入らない。千早さんは一体何を話すために私と向かい合っているのかわからなかった。
千早さんは少し表情を強張らせながらはっきりと私の目を見て言った。
千早「美希、今度のフェスで私と対決してくれないかしら?」
美希「え!?」
今日は千早さんの返答に驚いてばかりだった。
千早さんが私とフェスで対決?またもや頭の理解は追いつかない。
第一に千早さんのランクはまだBランク。私がどんなに961プロの援助があるからと言っても、能力は断然私のほうが上なはずだ。きっと勝負にすらならない。それに、なにより765プロは先日の『事件』のせいでアイドル活動どころではないはず。千早さんの考えは余計わからなかった。
千早「今の事務所がそれどころではないことはわかっている。でも、だからこそこの逆境の中で私の歌をみんなに届けたいの。弱小の私たちの事務所が生き残るにはこれしかないの」
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