4: ◆J5Y.hD6Ol2[saga]
2015/02/05(木) 20:08:32.32 ID:BYiw7eL10
照「ど…どうして私を?」
洋榎「?どういうことや」
照「私とあなたはいわば敵同士。先日の決勝で私達は優勝しあなたたちは敗北した。それなのにどうして私を助けるの?」
洋榎「…」
照「多かれ少なかれ私達を恨んでいるはず。なのに」
洋榎「関係あらへん」
照「え?」
洋榎「あんな?恨んどるとか敵同士とかそんなん関係あらへんとうちは思うで」
洋榎「目の前に困ってる人がおってその人を助ける。その行為に恨みとか敵とかそんな感情はいらんねん。それだけの話や」
洋榎「せやけどほんましぶといなぁ。PKん時に絹がゴール守てる並みにしぶといであいつら」
照「…」
照「(不思議な人。今まで色々な人達と関わってきたけどこんな人と出会うのは今日が初めて。)」
照「(人と人が関わるときにはお互いがお互いの利益になるから関わろうとする。だから私もそうした人付き合いをしてきたしそれが現実だと思っていた。」
洋榎「さて、どう逃げるか」
照「(それなのにこの人は、愛宕洋榎は、ただ困っている人がいたら無条件で手を差し伸べるという。こんなの今まで…)」
照「」グイグイ洋榎の服を引っ張る
洋榎「いくらなんでもうちと同じ速度で走って逃げえっちゅうんは無理あるしな」ボソボソ
照「ねぇ」グイグイ
洋榎「ん?何や、今逃げる算段立てとんねん。ちょいと静かにしといてな?」
照「お腹…減った」
洋榎「は?」
照「力が出ない。このままでは歩く事すらままならない。ここの路地裏を抜けてすぐの駄菓子屋さんの共親の大人気お餅シリーズの青りんご、サイダー、さくらんぼのうちの青りんごを食べなければ…」
洋榎「ちょーまてまてまて!長い長い!色々突っ込みどころありすぎて一瞬思考停止してもうたやんか」
洋榎「腹減ってんやったらまず飯やろ!何でそこで菓子がでてくんねん!それと何や!途中の訳分からんシリーズ!青りんごっちゅう単語だけ聞き取れたわ!」
照「子供の内に誰でも一度は食べた事のあるシリーズ。共親と聞いてそのおかしが浮かび上がらない様ではあなたは人生の10割を損している」
洋榎「全部やないか!って今は2人で漫才してる場合ちゃうわ。とにかくここから逃げ落ちる事だけを考えや」
照「そうすると私の大好きな青りんごが食べられない」
洋榎「自分の身の危険とその青りんごどっちが大事か言うてみ」
照「……………あおりんg…………身の危険」
洋榎「もう母音のせるだけで青りんごやないか!まっさきに身の危険言うとこやろ!ふつー」ハァ
照「あのおかしを食べないと結局ここから逃げ落ちれない。『急がば回れ』」
洋榎「だーっ!もうわーったわーった!その菓子が食いたいんやな!?」
照「」コク
洋榎「ハァーウチも色んな人間見てきたけど自分の身の危険より菓子優先する奴は初めて見たわ」
照「そんなことはない。おかしはこの世のすべての起源。人間或いは生き物は『甘え』という感情を中々表に見せない。余程の信頼が無ければ相手に隙を見せる事になる。それは家族や親しい友人であっても例外ではない。しかしおかしはそれらの疑念を全て払拭しその感情を引き出してくれる。すなわちおかしはこの母なる大地と…」
洋榎「こらこらこら!いつまで哲学語っとんねん!つかそれだけ口が回るなら動き回ることもできるやろ…」ハァー
照「それとこれとは話が別」
洋榎「後でじっくり聞いたるからとにかく今はウチの言う事を聞いて動くんやで?」
照「」コクコク
洋榎「失敗すれば終わりやけど成功したら逃げるのは勿論、走らんてもようなる。」
洋榎「いっちょ、ガキの頃にこさえた『子供のケンカ』ってやつ見せたるで!」
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