過去ログ - 勇者「君じゃ主人公は務まらない」
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190: ◆4S1Ttn1X06[saga]
2015/02/20(金) 23:35:13.50 ID:mdLejE/w0




A「……そろそろ魔法を解かないと、バテてしまう」

王女「……そうですね、たいぶ街から遠ざかりましたし、一安心でしょう」

幼女「ここら辺は、あまり荒らされていないみたい」

A「魔王軍がまだ手を付けていないんだろうな。ここらへんは森しかないから」

幼女「街が離れて見える……。あ、煙……」

王女「こうして見ると、国の終焉がはっきり伝わってきますね。…悲しいです」

A「王女、お前の鳥かごは、もう無くなったのか?」

王女「……ええ、そうですね。私を縛り付けていたものは、肉親さえ巻き込んで、あそこで燃え尽きてしまいました。もう、自由でしょう。……自由、なんでしょうね」グスッ

幼女「おねいさん、これ」

王女「ありがとう。布の切れ端でも、十分過ぎます…」ゴシゴシ

A「………」

王女「……A。どうでしょうか、私は、もう何者でもなくなりましたよ」

王女「貴方と私の間にあった段差が、なくなったんですよ…」

A「王女……」ギュ

王女「もう、一国の王女ではありません。これからは、貴方の姫です」

A「あぁ、そうだな。お前の居場所はもう、そこしかないんだものな…」

姫「そうですよ。だから、A。価値も何もかも失くしてしまった私ですけど、どうか、変わらずに愛してください。いや、もっと、もっと愛をください。そうして、私を安心させて……」ギュゥゥ

A「……あぁ、俺にも、お前が必要だ」

王女「………」ウルウル



 


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