過去ログ - 勇者「君じゃ主人公は務まらない」
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247: ◆4S1Ttn1X06[saga sage]
2015/03/07(土) 22:00:20.06 ID:0Z4uau1h0

姫「…………私は不安です」

A「……俺も、不安なんだろうな」

姫「ならば、その不安を埋めてしまおうとは思いませんか」

A「……それが怖いんだ」

姫「どうして?ずっと足りないままもがき続けるよりはマシでしょう?」

A「足りない、な。確かに、足りてない。……姫、俺も埋められるなら埋めたいさ。でも、それはきっと安心感を得たいが為の、破滅的な自己満足でしかないんだ」

姫「だからと言って何かが決定的に欠けてしまった心を持て余すよりはいいです。仮に、これがおよそ一般的な物の見方でないとして、私と貴方の世界の中で誰がそれを咎めることが出来ると言うのですか」

A「二人が良ければいいのか?愛情という名ばかりのただの願望の押し付けでいいのか……?それが、お前の言う得難いものに繋がるのかよ」

姫「そのための一歩を踏み出しているところでしょう、これは。だったら、このままでいいと安心をさせて欲しい。ほら、Aだって、不安だから先へ進むことも怖がってしまう。一歩踏み出してみれば、もう怖がることもないはずよ」

A「……あぁ、確かにそうなのかもな。何も反対をしているわけじゃないんだ。ただ、それを選択してしまっていいのかと躊躇っているだけなんだ」

姫「……A」

A「分からないけれど、分かろうとはしているよ、姫。考えたところで、俺はろくな答えが出せていないんだ。まだ姫の言うことのほうが納得出来る。……本来であれば、むしろそうするべきなのかもな」

A「……」

姫「……そろそろ部屋に戻りましょうか」

A「……俺はお前に、何を求めていたのだろうか」

姫「なら、考えておいてくださいね。私は、待っていますから」



 


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