35: ◆WnJdwN8j0.[saga]
2015/02/09(月) 15:54:18.85 ID:AkxA/VLB0
魔人「俺の怪我が完治するまで、お前が転ばないように俺がついていってやるってんだ」
こうはっきり言うと恥ずかしくなり、言った後顔を背けた。
女はポカンとしている。
僧侶「どうしてですか?」
魔人「あ?」
僧侶「親切にして頂ける理由が、思い当たりませんけれど…」
魔人「…そうだな」
助けられた恩を返すって性分ではない。
ただ何となく、この女の鈍臭い行動を見ていられないというか…
魔人「意味があると思ったからだ」
僧侶「…え?」
勿論、この女からの追求をストップさせる為のでまかせだ。
だけれど…
魔人「そうしたいと思った」
それだけは、間違いなかった。
魔人「…そうでもしねぇと完治するまでの間、ずっとイライラしそうだしな」
僧侶「そうですか」
女は納得したように深く頷くと、小さく微笑んだ。
僧侶「では、お言葉に甘えて…宜しくお願いします」
魔人「…」
それは初めて見た、女の笑顔だった。
魔人(…何だよ、普通に笑えるんじゃねぇか)
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