過去ログ - 僧侶「貴方を待ち続けて」
1- 20
37: ◆WnJdwN8j0.[saga]
2015/02/09(月) 15:55:26.79 ID:AkxA/VLB0
転ぶ――そう思った時には体が動いていて、女の体を支えていた。
女はふうっとため息をついて体制を立て直す。

僧侶「ありがとうございましたー…危なかったです」

魔人「…今、何に躓いた?」

女の足元を見るが障害物らしきものはない。
だが女は、前方を指差して「あれです」と答える。

あれ…ピョンピョン跳ねる、バッタ?

魔人「…あいつか?」

僧侶「踏みそうになってしまって」

魔人「そうかよ」

聖職者なら虫も殺せないのかもしれない。知らんけど。
まぁ虫を避けているつもりでも、転んだ拍子に殺してるかもしれない…っていう意地悪な発言はやめておくか。

魔人「そりゃ歩くのに苦労するわな」

僧侶「苦労なんて、思ってはいけないんです」

魔人「あー…?差別がどうのこうのって配慮か?」

僧侶「いいえ、そうでなくて…」

魔人「?」

僧侶「この体…受け入れないと、駄目なんです…」

俯きがちに言った女の声は、心なしか少しだけ暗い。
何か後ろめたい理由を抱えている…そう察した。

魔人「そうかよ」

だけど、俺は聞かなかった。それを聞ける程、この女との仲は進展していない。
まぁきっとこれからも聞くことはないだろうから、俺は明日には忘れているだろう。


<<前のレス[*]次のレス[#]>>
154Res/111.74 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice