44: ◆WnJdwN8j0.[saga]
2015/02/11(水) 18:18:58.95 ID:MTQwmVOE0
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魔人「いてて…」
包帯をはがす際、包帯に固まった血が張り付いて、肌を引っ張られた。
地味な痛みがじわじわくる。
僧侶「大丈夫ですか?」
魔人「あー、ガキじゃねぇしこれ位はな」
僧侶「そうですか」
女は手早く包帯を取り替えると、救急箱に出していたものをしまい始める。
夜の治療が終わり、俺はふと気になっていたことを口にする。
魔人「そういやこの部屋の置き物はお前の趣味か?」
僧侶「え?」
魔人「いや、何か男っぽいと思ってな」
そう言うと女は考えるようなポーズを取る。あぁ、また考えるのに時間がかかっている。
魔人「そんなに難しい質問だったか?」
僧侶「いえー、私の趣味ではないんですけれどね、でも好きですよ」
魔人「はぁ…?」
僧侶「これを集めたのは、大切な人なんです」
あぁ、なるほど。大切な人間が集めたものだから自分にとっても大切、ということか。なら「趣味じゃない」と一言でバッサリもできなかったわけか。
魔人「恋人か?」
ポトッ
魔人「あ?」
女は手に持っていた包帯を床に落とした。
顔は無表情だが…動揺した?これくらいで?
僧侶「だ、駄目ですよ。そういう話はデリケートなんですからー」
魔人「あーそうか、わり」
異性に興味を持ったこともなく、恋愛とは無縁だったせいか、そういう配慮がわからない。
けどこの反応、この女には好きな男がいるんだろう。
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