過去ログ - 僧侶「貴方を待ち続けて」
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6: ◆WnJdwN8j0.[saga]
2015/02/06(金) 20:25:40.38 ID:+AkwQ9aA0
女の家は人間達の社会から隔離されたような森の中に、ポツンと存在していた。

僧侶「散らかっててすみませんねー。そこに座ってて下さい」

女は物に伝い歩きしながら、治療道具らしきものを持ってきた。
それから俺の服をめくって治療を始める。喋りと頭の回転は遅い女だが、治療の手つきは手馴れていて手早い。

僧侶「はい、できましたよー」

魔人「あー…悪ぃな」

ありがとう、と言うべきなんだろうが、その言葉はどうも苦手だ。
だが女はそんなの気にしてないようで「いいえー」と呑気に答えた。

魔人「…お前は興味ないのかよ、魔王軍の残党狩りには」

僧侶「さぁー」

魔人「…さあって何だ」

僧侶「まぁ残党なら無差別に狩るのはどうかと思いますねー」

魔人「…本当に呑気な奴だな。つーかバカなのか」

僧侶「バカですか」

魔人「あぁ俺は魔人だぞ。魔人にとって極上の餌は何だと思う」

僧侶「…」

女は少し黙って考え込んだ後「あ」と小さく呟いた。

僧侶「人間」

魔人「そうだ。つまり…!」

俺は歯を剥き出しにして、女に詰め寄る。

魔人「俺はお前を食うかもしれねぇぞ…!」

僧侶「食べるんですか」

女は怯む様子もなく尋ねた。
怯えも見せないその様子に、俺はついムキになる。


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