64: ◆WnJdwN8j0.[saga]
2015/02/12(木) 19:44:07.61 ID:zorRjnWi0
魔人「ところで」
僧侶「はい」
家に戻り食事を摂っている時、俺は話を切り出した。
魔人「明日は俺の用事に付き合え」
僧侶「魔人さんの用事ですかー?」
女は首を傾げる。
魔人「…まぁ俺よりもお前の用事なんだが」
僧侶「〜?」
魔人「とりあえず明日はもっと遠出するってことだ。いいな?」
僧侶「あ、はい。でももっと遠出ってなったら何日かかることか…」
魔人「俺がお前を背負っていくからいいだろ」
僧侶「っ!」
女の顔が赤くなる。あぁ、本当にこいつはウブだ。
魔人(どうしたもんかな…)
用事の内容を教えないことに、これという理由が無かった。
ただ――どうも気乗りしなかった。自分がこの女の為に何かしてやった、という事実が気恥ずかしい気持ちもある。
だけど、知っていることを自分の口から伝えたくなかった。
それよりはこの女が実際その目で見て知る方がいい――それは女の為じゃなく、自分の気分だ。
要するに自分の言葉で女の心に影響を与えたくなかった。
ただそれだけの、小さな理由。
魔人(…あー女々しい)
そんな自分にイラつきつつも、明日のことを1人抱えながら眠りについた。
154Res/111.74 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。