8: ◆WnJdwN8j0.[saga]
2015/02/06(金) 20:26:46.89 ID:+AkwQ9aA0
魔人(…あの女、俺のことナメてんのか?それともただのバカか?)
食事を待ちながら色々考える。
俺はこれでも魔王軍の暴れん坊、鮮血の魔人と呼ばれた男だ。それがこうして、あんなボケっとした女に助けられたなんて…あぁ、口が裂けても昔の仲間にゃ言えやしねェ。
つっても昔の仲間も大分狩られたと聞く。俺は仲間意識が薄い方だったから、そんな噂耳に入っても特に何とも思わなかったが。
それよりも意外なのは、残党狩りを恐れてコソコソ隠れまわっている奴らもいるということだ。
魔王軍最盛期には暴れまくった奴らが、人間との力関係が逆転した途端コソコソするとは。
情けない奴らだ、と思う。俺は最後の最後まで戦って死んでやる、その気持ちはずっと変わらない。
僧侶「ご飯できましたよ〜」
魔人「…おう」グギュルルル
が、今の調子で残党狩りと戦えば確実に死ぬ。体調が戻るまでは、このお人好しの好意に甘えるとして…。
魔人「」バクッ
僧侶「どうですかー」
魔人「…オイ」
僧侶「はい」
魔人「調味料、間違えてんじゃねぇのか…?何だこの奇跡の味は」
僧侶「奇跡の味…」モグ
僧侶「あ、これマズいですね」
魔人「…」
魔人(こいつ…この飯で命乞いしようとしたんだよな?)
呆れすぎて怒る気力すら無くなる。
まさかこんな手の込んだ嫌がらせする奴でもないだろう。…なら、やはりただのバカか。
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