92: ◆WnJdwN8j0.[saga]
2015/02/15(日) 16:52:09.18 ID:IK6jdd6z0
魔人「…会えたかよ、思い人には」
僧侶「…はい」
女の表情は暗い。やはり、思わしくない結果だったのか。
僧侶「でもお陰様で、諦めがつきそうです」
魔人「そうかよ…」
僧侶「でも」
魔人「?」
僧侶「あの人を失った日に、魔人さんまで失いかけるなんて――貴方はひどい方です」
魔人「あ?」
女は俺の胸に縋り付く。
一体何を言っているのか、俺には理解不能だった。
魔人「俺を失うだ?馬鹿か、俺はお前のもんじゃねぇ」
僧侶「でも、大切な方です」
魔人「いつの間にそうなった」
僧侶「歩くのを助けて頂いたり、一緒にお食事したり…」
魔人「んなもん、大したことじゃねぇだろ」
僧侶「でも、私にとっては大切な思い出です」
魔人「…」
やはりこの女を理解するのは無理か――
けれどまぁ、
魔人「いつまでもシケた面してんじゃねぇよ」
この女が泣くのを止めることができた。
今は、それでいいか。
154Res/111.74 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。