過去ログ - 唯「ピンク・ビック・バスタオルを買いに」
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13:名無しNIPPER[sage saga]
2015/02/07(土) 19:32:11.90 ID:HzA0YEX8o
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次の日は台風一過でよく晴れた。
いつもどおりあずにゃんはまた夜に空を飛ぶようになった。
わたしのほうも相変わらず夜には寝るのだった。
布団のなかで、あずにゃんが闇夜を飛んでいる姿を想像してみる。
世界のどこかのデパートの屋上で、あずにゃんはわたしがやりかけたゲームのつづきをやっている。
そして世界のどこかのデパートにはピンク・ビック・バスタオルがあるっていうそれだけの理由で、
そのデパートにはピンク・ビック・バスタオルがあるのかもしれない。
ゲームをやめたあずにゃんはまた空を飛んで、どこかへ行ってしまう。
やがてやってくる白い空が、あずにゃんを怯えさせて、逃げるみたいにあずにゃんは両方の髪をぱたぱた揺らした。
使った100円の分だけきっと飛行制動が大変なんだろうなあってわたしは思った。
そうしてあずにゃんはアパートの二階の窓からわたしたちの部屋に帰ってきて、
わたしはちょうどその頃風船の夢でも見ていて、
あずにゃんは朝ご飯をつくって(たいていは)わたしが起きてきて、わたしたちはこう言う。
ただいま!
おはよう!
2人で朝ご飯を食べて、あずにゃんはぬるいお風呂をあたためてはいって、バスタオルがいっぱいありすぎることに文句を言ってから寝る。
週末のわたしはまた電車に乗って、今日は家から23駅目の今まで行ったなかではいちばん大きなデパートで、お洋服を見たり、食料品を買って帰る。
電車ではいつも晩ごはんのことを考えてた。
家につく頃に外はもう真っ暗で、そのころようやくあずにゃんは眠りから覚めて、わたしは玄関の扉を開く。
わたしたちはいつもこう言っている、こう。
おはよう!
ただいま!
ピンク・ビック・バスタオルはまだ見つからない。





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