過去ログ - 唯「ピンク・ビック・バスタオルを買いに」
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2:名無しNIPPER[sage saga]
2015/02/07(土) 19:05:35.30 ID:HzA0YEX8o


飛行力学の要請で、あずにゃんの髪はものすごく長い。
あずにゃんは空を飛ぶ。
ふたつしばりにした髪を羽のようにはためかせて、黒い闇の上に浮かぶ。
あずにゃんはそんな髪の毛ぱたぱた航法でどこまでも遠くまで飛んでいく。
夜のなか。
わたしたちがいっしょに住んでる、アパートの二階の窓から飛びたって。
その間、わたしと言えば、いつも寝ることにしている。
わたしは空が飛べないので、あずにゃんといっしょに夜を飛ぶことはできないし、夜は眠い。
だからわたしはほんとうはあずにゃんが飛んでいるところをいちども見たことがない。
いつも寝てるから。
あずにゃんの髪がどれくらい長いかというと、とても長い。
高校生のときも周りの子に比べて長くてさらさらな黒い髪をしていたけど、今ではそれとは比べようもないほど長い。
あずにゃんは家の中を歩くとき、いつも髪の毛を引きずっている。
だから床を汚くするとうるさい。
あずにゃんはただでさえうるさいのだから、そういうことがあるともうこっちではどうしようもないほどうるさい。
がみがみ。がみがみ。
そんなわけで、あずにゃんはいつも掃除機をかけているんだけど、その掃除機(通販で買った高いやつだ)がこれまたうるさいのだ。
があがあ。があがあ。
あまりにもうるさいので、まるであずにゃんみたいだ(あずにゃん掃除機ってわたしは呼んでる、こっそり)とわたしは思っているんだけど、そんなことを言うとまたあずにゃんはうるさくなるので、あまり口には出さない。
でもまあ、あずにゃんは夜に飛ぶって言う理由からわたしが起きているときはたいてい寝てるので、そんなにあずにゃんのうるささに遭遇する機会はないのかも。
寝てるときのあずにゃんは静かでかわいい。
寝てるときのあずにゃんはわたしが二番目に好きなあずにゃんだった。
そんなことは黙っているのだ。もちろん。
どうやらあずにゃんのほうから言わせれば、わたしのほうこそうるさいらしいのだけど、それはたぶん間違ってる。
自分では自分のうるささがわからないので、あずにゃんはそんなことを言うのだ。きっと。
わたしたちはお互いのあまりのうるささに辟易としてしまって、相手が起きてる時間に寝るようになったんだろう。
まあ、そんないくつかの理由で、あずにゃんは夜に起きてくる。



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