過去ログ - これから日記を書く 2冊目
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48:名無しNIPPER[saga]
2015/02/12(木) 23:39:08.20 ID:Pqemc/Rp0
百十日目

なかなか厳しい戦闘だった。定時報告でブラインドの位置を伝え、目印になるよう高い建物に移動して、そこに目立つよう手製の旗を立ててメンバーを待つ間も、ブラインドが動くかどうかを見張っていた。

出発の連絡から1時間程度がたったころ、見張っていた建物より少し低い右側にあった建物の上に何かが着地したのが目の端に入り、目をやるとそこには最近見慣れ始めた佐原が一人立っているのが見えた。とりあえず、急ぎ自分の建物に入るようジェスチャーすると、なぜかわざとらしく敬礼してから、こっちに向かってジャンプすると、建物の突起物を使って屋上に勢いよく登っていった。姿は狼だが、系統的にはモンキーゾンビに近いのか、それとも体が発達すれば、人間だれでもやれるようになるのか、そんなことを考えた。

建物の中に入ってきた佐原に、残りメンバーについて聞くと、自分が偵察役で兄貴の居場所を確認してくれって、言われたっす。とのことだった。その後、皆を連れに戻るっすと言って佐原が出てから、メンバー全員がそろうのは十数分後だった。

濃硫酸を誰が投げるか、という問題があったが、それは俺が担うことにした。佐原でも良かったが、不器用になってしまったやつに精密な動作を要求はできないからな。

戦闘が始まり、濃硫酸を浴びせるために、佐原が囮になる。ブラインドが佐原に噛みつこうと姿を現した瞬間に、顔面に向かって濃硫酸のビンを投げつけ、急いで路地裏に飛び込む。

ブラインドの絶叫が都市中に響き渡る。のんきにしている時間はなく、井門が弾丸を叩き込む音と、何かが破壊される音が響いた。何か覗くと、激痛で声を上げるブラインドが暴れ、建物の壁や窓を叩き壊し、折れた電柱が俺の足元まで倒れてきた。

弾切れだという声に合わせて、路地裏から飛び出し、暴れるブラインドにファントムの矢を叩き込む。顔にはいくつかの銃創と矢が突き刺さっているにもかかわらず、まだ暴れる元気のあるブラインド。驚異の耐久力だった。

装填を終えた井門が再び弾丸をぶち込む。こいつ、本当に生き物か。思わず井門が普通にそういっていたのは、あの時のメンバーが誰しも思ったことだろう。

井門が銃を撃つ間にも、ゾンビや変異体が現れ、山中さんと美尋が交戦状態に入ったのを見て、あの筋肉ダルマを叩き潰して来いと佐原に指示して、井門が弾切れになると同時に車を使ってブラインドにとびかかり、頭に剣を突き刺した。深々と刺さったおかげか、今まで力強く振り回していた四本脚は電気を失ったようにだらんと落下し、地響きがなる。

素早く剣を引き抜いて、全員に脱出するように指示し、佐原を最後方につける形でそのエリアを離脱した。

なんにせよ、想定以上のタフネスだった。ライフルの弾の効かないとなると、危険承知で大型の武器で殴りつけるか、今回は使わなかったが、火炎瓶で火だるまにしたほうがいいかもしれないな。
(ただ、都市火災が発生した場合、鎮火する手段がないから、火炎瓶は最終手段だが)

なんにせよ。都市における、最大危険要因の1つは排除することができた。あとは都市のゾンビと変異体の処理を行うのみではある。

気がかりはコマンダーゾンビだな。今後佐原で偵察してから、そのエリアを回るというのも手かもしれない。奴なら四方を囲もうが、その脚力で脱出できる。

とりあえず疲れた。細かいことは、また明日にしよう。


百十日目終わり



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