956:名無しNIPPER[saga]
2015/07/13(月) 00:29:13.25 ID:Te1zMvKAO
4月4日
今日、主任に放浪者は人間なのかと問われた。言っている意図が理解できず、聞き返すと一つの映像を見せられた。
放浪者があの研究所内で戦っているものだった。彼があのタレットと言われる装置を破壊しながら、銃弾をかわしているものだった。
タレットは、搭載されたプログラムの関係で、発見と同時に攻撃はしない。発見して相手を認知し、敵と判断してから攻撃するため、若干のラグがある。
とはいえ、一度敵として判断した相手には、次回認知して攻撃になるので、タイミングは少し早くなる。
彼はそれを知っていたのかはわからないが、そのラグの間に各部屋に逃げ込み、距離を詰めてから破壊するというのを繰り返していた。
それ自体は、不思議ではない。だが、明らかに銃弾をかいくぐった場面もあった。確かにこれは肩に銃弾が掠った痕もあり…。
主任が人間はここまで反射ができるとは思えないと、言った。診断結果を聞くと正常で異常はないと答えた上で、それでも人間離れしすぎではないか、が主任の意見だった。
放浪者は、何らかの変異をしているのだろうか。だが、一緒にいる間、ゾンビからの負傷は受けていない。変調をきたしたこともない。
……、彼は人間だ。それは私が一番よく知っている。知っているからこそ、少し、不安を覚えている。
山中沙奈 記す
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