過去ログ - 【うみねこ】salvation of the golden witch
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44:名無しNIPPER[saga]
2015/02/20(金) 01:39:11.82 ID:7Xs9w9MW0
結論から言うと、川端氏との接触は難航を極めた。

かつて警察やテレビレポーターや雑誌記者達が連日押しかけてきた事も原因の一つであるが、
それ以上に偽書作家達もが『取材』と称して押し寄せてきていた事が大きかった。

以前の人の良い船長の姿は影を潜め、頑固で寡黙な老人がそこにはいた。

「あのー、川端さんで間違いないでしょうか?」

「そうじゃが」

「ちょっとお聞きしたい事が…

「知らん。話す事は何もない。帰ってくれ」

最後まで言う前にピシャンと勢い良く閉まる扉。

「お嬢、船長にはアポ取ったんで?」

天草が縁寿の顔を覗く。

「いいえ、まさかこんな対応をされるとは思ってなかったから…」

「無駄足でしたかね?」

肩を竦めて踵を返す天草。
しかし、天草に反して縁寿は閉じた扉に向かって叫び始めた。

「川端さん!私は右代宮縁寿です!私はあの日の真実を求めてここに来ました!!
お母さんも!お兄ちゃんも!従妹のみんなも!おじいちゃんも!ベアトリーチェも!
全員をあの日の悪夢から助ける為に!!!」

「ちょっとお嬢!」

近隣の事などお構いなしに叫び始めた縁寿を制止しに掛かる天草。
だが、天草が止める前に扉は開いた。

「えん、じゅ?」

目を丸くして縁寿を見つめる川端船長。
片翼の鷲の紋章が入った縁寿の服をまじまじと見つめていた。

「縁寿ちゃん、なのかい?」

「ええ」

「入ってくれ」

川端船長はそっけなくそう言うと、縁寿と天草を中に招き入れた。


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