過去ログ - 【うみねこ】salvation of the golden witch
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名無しNIPPER
[saga]
2015/02/20(金) 01:39:11.82 ID:7Xs9w9MW0
結論から言うと、川端氏との接触は難航を極めた。
かつて警察やテレビレポーターや雑誌記者達が連日押しかけてきた事も原因の一つであるが、
それ以上に偽書作家達もが『取材』と称して押し寄せてきていた事が大きかった。
以前の人の良い船長の姿は影を潜め、頑固で寡黙な老人がそこにはいた。
「あのー、川端さんで間違いないでしょうか?」
「そうじゃが」
「ちょっとお聞きしたい事が…
「知らん。話す事は何もない。帰ってくれ」
最後まで言う前にピシャンと勢い良く閉まる扉。
「お嬢、船長にはアポ取ったんで?」
天草が縁寿の顔を覗く。
「いいえ、まさかこんな対応をされるとは思ってなかったから…」
「無駄足でしたかね?」
肩を竦めて踵を返す天草。
しかし、天草に反して縁寿は閉じた扉に向かって叫び始めた。
「川端さん!私は右代宮縁寿です!私はあの日の真実を求めてここに来ました!!
お母さんも!お兄ちゃんも!従妹のみんなも!おじいちゃんも!ベアトリーチェも!
全員をあの日の悪夢から助ける為に!!!」
「ちょっとお嬢!」
近隣の事などお構いなしに叫び始めた縁寿を制止しに掛かる天草。
だが、天草が止める前に扉は開いた。
「えん、じゅ?」
目を丸くして縁寿を見つめる川端船長。
片翼の鷲の紋章が入った縁寿の服をまじまじと見つめていた。
「縁寿ちゃん、なのかい?」
「ええ」
「入ってくれ」
川端船長はそっけなくそう言うと、縁寿と天草を中に招き入れた。
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