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28:1 ◆u1gJJe7DP2[saga]
2015/02/13(金) 01:50:27.92 ID:H4akKyd/0
「ええ。ですが、ずっと奇妙には感じていたのです。
何か、こう、小骨が喉に刺さったような違和感がありまして」

　大規模な戦線再編は補給線の都合と聞いたとき、その瞬間は少し奇妙に思った程度だった。
そして、参謀本部の計画通りに無事に後退できた時には安堵すら覚えていたがために、少々気が付くのが遅れていた。

　防衛線再編というならばああまでも下がる必要があるのだろうか、という疑問。
だが、今ようやく理解出来た。
それは、全ては回転ドアをまわすための事前準備なのだ。
さながら、自分達は回転ドアの除幕式を告げる小さな打ち上げ花火というやつだろう。

「……結構。では、レ級。あなたならば、参謀本部が本作戦に対して寄せている絶大な期待を理解してもらえるわね」

「はっ、泊地棲姫殿。十全に理解いたしました」

　それは、大規模包囲戦に向けた参謀本部の遠大な機動作戦の先鋒だ。
だが、此処まで戦線を後退させている以上、並々ならぬ損失を覚悟で打たれている手だ。
何としても、成功させねばならないという覚悟が感じられる。

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