過去ログ - 【ラブライブ!】user名:泥だらけのハイヒールを履いた元踊り子のための薬用石鹸
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3:名無しNIPPER[sage saga]
2015/02/09(月) 20:50:38.79 ID:dwilK1n2O
そんなエリチカさんの様子を見かねて、
ある日、希ちゃんが言った。

希ちゃんはスピリチュアルだから、
エリチカさんの足首クニクニをスピリチュアルに察していた。
スピリチュアルやね。

希ちゃんが「えりち、えりちにはそんなハイヒール似合わんよ。ほら、えりちに似合うんはこっち」

そう言って、希ちゃんがエリチカさんに差し出したのはミューズ。

大人ぶって強がっていたエリチカさんは
素直になれなかった。
本当は嬉しかった。
小さい頃にやっていたバレエが瞬時に頭をよぎった。

バレエシューズとハイヒール。
一体、いつの間にこんなに変わっていってしまったのか。
あの頃の、足先の一点だけで体全体を支えていても少しも怖いものなんてなかった
あの頃の私は一体どこに行ってしまったのか。

自分はどうして身の丈に合っていないハイヒールを履きこなすことに必死になって、
足の痛みを堪えているのか。

エリチカさんの眼の揺れに希ちゃんは気がついたけど、何も言えなかった。

心がカチコチに凝り固まっていて、
スピリチュアルな希ちゃんの言葉さえ、
そのコリを癒してあげるには温度が足りていなかった。

希ちゃんは別れ際につぶやく。

「今のえりち。URでもSRでも、Rですらない。Nやで」

去っていく希ちゃんの背中が少しずつ小さくなっていく。

エリチカさんは希ちゃんを追いかけたかった。

だけど、走れない。

エリチカさんの履いているハイヒールは走るためのものではなかったのだった。



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