過去ログ - 【ラブライブ!】user名:泥だらけのハイヒールを履いた元踊り子のための薬用石鹸
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7:名無しNIPPER[sage saga]
2015/02/09(月) 21:08:42.68 ID:dwilK1n2O
4. 心さく友の現在地

ロンリーハートで蕾ですらない現状にいた矢澤にこにーは
気取ってお高くとまっていらっしゃるエリチカさんの眼中になかった。
彼女はエリチカさんの眼中の下にいた。

ハイヒールガールなエリチカさん、
その高さゆえに死角ができていた。

その死角のデッドスペースで人目を気にせずまったり安らぎ空間を演出し
部室と言う安全性を保証されたラベリングがなされ、
ただのアイドル趣味全開の部屋に堕ちた魔界の中で薬用石鹸の効力に本当はおののいていたが、
あまりにもひねくれすぎた自尊心ゆえに石鹸叩きを行っていたのが何を隠そう
矢澤にこにーであった。

彼女はアイドル研究部の部長であり、この春にも部活動の予算会議でエリチカさんと顔を合わせている。

それにも関わらず、エリチカさんはにこにーを認識してはいなかった。

希ちゃんは優しいからそういうの、追求とかしない。


「覚えてないとは思ってたけど、ほんまに覚えてないとはー。まぁ、やりやすくてええけど」

希ちゃんの横で短いが、手入れの行き届いたツインテールが風に揺れる。

「なに独りごと言ってんのよ、希。春の日差しにでもやられたの?」

「ううん。スピリチュアルやな、って思って」

にこにーは、何やら希ちゃんがよくないことを企んでいそうで、そのムズムズさに思わず口に咥えていたストローを噛んだ。



矢澤にこにーは、エリチカさんの眼中下に存在する盲点である。

彼女はこれから、うみほのピーまきりんぱなに出会うことになる。

それは彼女が望んでいる以上の出会いとなり、彼女を変える。

希ちゃんはそれを望んでいたから、ロンリーハートで蕾ですらなかったにこにーが
蕾になる瞬間に立ち会えて心がニコニコになった。

そういう風に誰かが良い方向に変わっていくことは、希ちゃんの心をホッコリとさせた。

とくに、それが自分の大切な人であるならば、なおのこと。

希ちゃんが気に留めている2人はそんなことなど露知らず。

しとしと降る梅雨の雨に打たれて、放課後の帰り道をエリチカさんは希ちゃんの横を歩く。

エリチカさんが歩くたび、泥が跳ねているのだけど、
それでもそんなことはエリチカさんの意識の外での出来事だから、

エリチカさんは気にも止めない。

「これでええんかなぁ」

「うん? 何か悩みごと? 希」

えりちのことだよ、と言えればどれだけ楽になるかな

と、希ちゃんは困って、何も言わずに梅雨の雨が傘の上で踊る音を聞いていた。



そんな感じで、矢澤にこにーは盲点であった。

が、それ以上に、エリチカさんがポンコツなのかもしれない。



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