43:名無しNIPPER[sage]
2015/02/12(木) 20:55:27.16 ID:uTiPQ6RfO
「お菓子を作ってるときって知らないうちに、食べてもらう人のことを考えちゃうものなんだね。食べてもらう人がおいしいって言ってくれるところを想像しながら作る……」
「ということは、今まで向日葵が作ってきたお菓子は全部、私のことを考えながら作ってくれてたってことだよね?」
44:名無しNIPPER[sage]
2015/02/12(木) 20:56:02.73 ID:uTiPQ6RfO
今までにない責められ方をして、私は恥ずかしさに耐えられなくなりついに言葉を遮ってしまった。
きっと今の私は、櫻子よりも赤面してしまっている。
45:名無しNIPPER[sage]
2015/02/12(木) 20:57:20.91 ID:uTiPQ6RfO
私は悔しかった。
櫻子に一杯食わされたことが。
無邪気で、無垢で、いつまでも子供っぽいと思っていたこの子が、いつの間にか自分の知らない一面を持ち合わせていたことに、無性に恥ずかしくなった。
46:名無しNIPPER[sage]
2015/02/12(木) 20:58:37.82 ID:uTiPQ6RfO
改めて気持ちを言葉にすることが恥ずかしくて、勢いづかせてあげないと伝えられない。
でもいいのだ。この子も喧嘩に乗ってきてくれるから。
だから私は、思うようにこの子にぶつかればいい。
47:名無しNIPPER[sage]
2015/02/12(木) 20:59:23.92 ID:uTiPQ6RfO
「おねえちゃん、お皿もってきたの!」
「ケーキみんなで食べよう? ひま子に作ったとはいえ、私たちも結構頑張ったからさ、やっぱり独り占めはずるいでしょ」
「こんなにおっきいケーキ食べたらひま姉太っちゃうから、花子たちが少し減らしてあげるし」
48:名無しNIPPER[sage]
2015/02/12(木) 21:00:07.69 ID:uTiPQ6RfO
楓に皿とフォークを渡されて、みんなでケーキをつまむ。
こんな大きいホールケーキ、もとより一人で食べきれる気はしていなかったから、別に私は構わない。
最終的には櫻子も笑顔でケーキに夢中になっていた。
49:名無しNIPPER[sage]
2015/02/12(木) 21:00:51.37 ID:uTiPQ6RfO
「おっはよー!」
「もう、なんで昨日より遅いんですの? 今朝は特に何もないでしょうに」
「えへへ……」
50:名無しNIPPER[sage]
2015/02/12(木) 21:02:05.83 ID:uTiPQ6RfO
「向日葵、はいこれ」
「?」
51:名無しNIPPER[sage]
2015/02/12(木) 21:02:46.79 ID:uTiPQ6RfO
大人になりきれていないのは私の方だった。
変わっていく櫻子が認められなくて、意地を張ってしまっていたのだから。
52:名無しNIPPER[sage]
2015/02/12(木) 21:03:37.96 ID:uTiPQ6RfO
(……甘いですわね)ぱく
チョコレートはまだまだビターには程遠い甘さだけれども、
53:孤独の人[sage]
2015/02/12(木) 21:06:24.33 ID:uTiPQ6RfO
Happy Valentine's Day!
ありがとうございました。
58Res/38.44 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。