過去ログ - [オリジナル] The Five Elements 〜New Contract Peach Warrior〜 
1- 20
22:名無しNIPPER[sage saga]
2015/02/14(土) 10:29:58.43 ID:638Opjkd0

「――ねえ、和間くん」
「どうしたの? 千春」


 夕食を済ませ自分の部屋に戻ってすぐのことだった。
 夕食の席には俺と千春のみだった。千春は「おじいちゃんは外で済ませてくるって」と言っていた…… あの昼の出来事があって、おじさんは再び研究室に戻ったようなので恐らくまだそこでの仕事が終わっていないのだろう。


「何か言いにくいこと…… かな?」


 控えめなノックと共に扉を開けた千春は、扉から顔を覗かせたままで中には入ってこない。そしてもごもごと口を動かしてはいるものの、それを言葉として口に出すことが出来ないでいた。


「とりあえず中に入りなよ」
「――うん。入るね」


 目を伏せたままゆっくりと入室する千春。
 ベッドに腰掛ける俺の数歩前で立ち止まり、やがて伏せた視線を俺へ注いだ。


「相談事とか…… かな?」
「相談事…… うん」


 俺の推測に反応する。
 相談事…… 学校生活は問題なさそうだし、一体何だろうか。
 彼女からの言葉を待つ。


「アドバイスできるほどの力はないけど…… 口に出してみるだけでも楽になるだろうし、良かったら聞かせてよ」
「――うん」


 深呼吸する千春。
 そして何か決意したようで俺をまっすぐ、力強く見つめた。


「――和間くん、あのね」
「うん…… どうした?」


 何故か俺の方の心拍数まで上がり始めた。
 ドクドクと脈打つ鼓動。段々とその速度も上っていく。


「あの――」


 俺を見つめる藍色の双眸は透き通っていて、そして一つ煌いたように見えた。


「泣いてた」
「――え?」


 泣いてた―― それはどういう……


「和間くん、泣いてた――」
「――俺が?」


 ゆっくりと首を縦に振る千春。
 俺が泣いてた…… 


「さっき、眠ってる時に…… 泣いてた」
「――ああ」

 そういうことか。
 さっき見た夢、それから覚めて起きた時…… あの夢の中のように、俺の目には涙が浮かんでいた。

(心配させてしまった)

 それを見てしまって心配してくれたのだろう。




<<前のレス[*]次のレス[#]>>
70Res/127.94 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice