過去ログ - [オリジナル] The Five Elements 〜New Contract Peach Warrior〜 
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54:名無しNIPPER[sage saga]
2015/02/14(土) 12:05:57.18 ID:VF8Hn4hI0

 俺の 土 の理を司る鍵と、千春の 木 の理を司る鍵。
 それが一つとなってもたらされた力。

(五行の理…… 木 が指し示す色は青――)

 千春……

(そして和間くん、胸元を見て――)

 胸元……

「これは……」

 燕尾服の胸元には刺繍されたかのように青く煌く模様が浮かぶ。
 その模様は……

(木が司るもの…… 色なら青や緑、季節なら春。そして守り神は青龍)

 胸元には、青く輝く昇り龍の模様が刻み付けられていた。

「――人間ごときが…… 人間の分際で……」

 ぶつぶつと呪詛のように言葉を吐いて鬼は重々しく立ち上がる。


――和間くん、何か強い「イメージ」が浮かんできたの……

「うん、俺もだ――」


――私、和間くんにいっぱい助けられてきたね。

「そんな…… 俺の方こそ――」


――だからこれからは私が和間くんをもっと、もっと支えたいの。支え合っていきたいの。

「ありがとう。俺も千春のおかげで生きてこれた……」


――嬉しい…… だから、だからね…… 私は 仁 を貫いていきたい。

「うん…… 木 は 仁 の徳を持っている。仁 は即ち親愛……
それなら俺は、土 が持つ 信 を貫くよ――」


――ふふ…… 私たち相克の関係だね。

「そうだね…… それのせいか知らないけど喧嘩しちゃったし…… ごめん」


――いいの…… でも、私は相克なんかじゃないと思う。

 千春の言葉…… その旋律は俺を癒し、育み、確かな強さをもたらす。


「――人間ごときに何ができる!? お前らなどちっぽけな蟻だ! この世界を統べるのは我々だ!」

 吼える怪物。おぞましい叫びも何故か今は恐ろしく感じなかった。

「うん…… 俺たちは相克じゃない。
土が木を育てるように、木もまた土を肥やし育み豊かにする。
だから俺たちは相克じゃない。二人で一つだ――」

「――終わりにしてやる…… 鍵は頂く!」

 鬼の片手が怪しく光って、そこから一本の斬馬刀のような大太刀が現れた。その姿は処刑人さながらである。


――私たちは相克じゃない、想生だね。

「ああ…… 千春、奴が来る!」


 大太刀をギリギリ……と力強く両手で握り、そして振り被り、そのまま大股で接近して来る鬼。
 
 
 どうする―― 千春。



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