過去ログ - 京太郎「修羅場ラヴァーズ」久「もうちょっと、近づいて」
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296: ◆fUP.t6E/JbsR[saga]
2015/02/28(土) 19:50:54.43 ID:rssb2Yx70
姉と妹は、無言で睨み合う。

血の繋がった相手を、憎しみの篭った眼差しで。

例え唯一の姉妹でも、彼を譲ることは絶対にできないから――


「この、ばかちん!」

「あぅっ」

「いっ」


ゴチン、と立て続けに連続で響く拳骨の音。

大きなたんこぶを摩りながら、二人は涙目で彼を見詰めた。


「刃物とか、喧嘩に持ち出しちゃダメに決まってるでしょうが!」

「だって……」

「さ、咲が……」

「言い訳しない!! 照さんもお姉さんでしょっ!!」


しゅん、と縮こまる二人。

毎度の如く、彼の仲裁で姉妹の修羅場は強制終了となる。

憎しみだとか何だとか言っても、彼に叱られるのは怖い。

それに――


「まったくもう……反省したか?」

「……はぃ」

「……うん」


「それじゃあ……仲直りの、プリンでも食べるか。ハギヨシさんに教えてもらったんで」

「え……!」

「やった……!」


毎度の如く餌付けをされては、怒りも直ぐに萎んでいく。

今日も今日とて、二人の胃袋はたった一人の少年に懐柔されていくのであった。


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