過去ログ - 千秋「あら、アナタは…」未央「えっ?」
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11:名無しNIPPER[saga]
2015/02/15(日) 22:18:48.58 ID:Naqv58ceO
――まずいよ。

未央「それに気がついたのはステージに立った後だなんて、もう面白すぎるよ!どんな顔して戻ればいいかわかんないよ!」

――これ以上はダメだ。
以下略



12:名無しNIPPER[saga]
2015/02/15(日) 22:24:06.04 ID:Naqv58ceO
涙が出そうになる。

でも涙だけは流したくなかった。

私なんかが涙を流すと『ラブライカ』の二人がステージ裏で浮かべていた涙まで汚してしまう気がしたから。
以下略



13:名無しNIPPER[saga]
2015/02/15(日) 22:29:48.92 ID:Naqv58ceO
未央「……なんで」

未央「どうしてそこまで言われなきゃいけないんですか?今日初めて会った人に」

私の言葉を彼女は無視して続けた。
以下略



14:名無しNIPPER[saga]
2015/02/15(日) 22:35:17.49 ID:Naqv58ceO
「つまり一握りのアイドルのさらに一握りが『アイドル』を名乗ることしか許されない。そんな世界に辞めたいなんて思っている子が入ってきても続かないわ。貴重な学生時代を費やすならもっと自分にあっているものにすべき、違うかしら?」

正論だ。今の私の体に直接塗りたくられたらさぞかし染みて痛みで叫んでしまうであろうほど正論だと思う。

なにも返す言葉がない事を察したのか彼女はまた口を開く。
以下略



15:名無しNIPPER[saga]
2015/02/15(日) 22:43:17.25 ID:Naqv58ceO
「そういえば、一つ間違ったことを言ってしまったわね。アナタとまったく関係がないというのは誤りだわ。だって私はアナタの先輩だものね」

まとまりきらない自分の気持ちをなんとか形にしようと考えていた時、私の耳に予想すらしていなかった言葉が耳に入り思わず聞き返してしまう。

未央「……先輩?」
以下略



16:名無しNIPPER[saga]
2015/02/15(日) 22:50:33.89 ID:Naqv58ceO
衣装の袖が汚れてしまうかもしれないかなどとは考えずに、ゴシゴシと湿った目から余計な水分を拭き取りクリアな視界で彼女を見た。

話しかけられてから今まではっきりとは見ていなかった彼女の顔は、とても綺麗だった。

丁寧に手入れされていることが一目見ただけでわかる長い黒髪、意志の強さがうかがえる大きな目にシャープな鼻筋。
以下略



17:名無しNIPPER[saga]
2015/02/15(日) 22:57:23.03 ID:Naqv58ceO
未央「黒川……千秋さん?」

そう言うと彼女、黒川千秋は僅かに驚いたような表情を見せた。

千秋「あら、知っていたのかしら。」
以下略



18:名無しNIPPER[saga]
2015/02/15(日) 23:05:03.16 ID:Naqv58ceO
普段ならばミーハーな気分もあいまって、物怖じせずに千秋さんに積極的に話しかけられたのかもしれない。

でも、今は無理だった。

むしろ千秋さんと自分との差が余計に心を沈めるだけで。
以下略



19:名無しNIPPER[saga]
2015/02/15(日) 23:09:13.51 ID:Naqv58ceO
千秋「……ねえ」

そんな気まずい無言が私たちを包むのかと思ったとき千秋さんがまた口を開いた。

千秋「さっきアナタ言ってたわよね」
以下略



20:名無しNIPPER[saga]
2015/02/15(日) 23:13:17.59 ID:Naqv58ceO
千秋「ここの特設ステージのことを『こんな小さなステージ』って」

未央「言いましたけど……」

予想していたものとは大きく異なる言葉が投げかけられて戸惑ってしまう。
以下略



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