過去ログ - 【安価】提督「提督になれてよかった」その8【艦これ】
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514:名無しNIPPER
2015/03/07(土) 23:40:45.45 ID:gE2ajdjuO


「・・・ごめんな。俺のことは忘れてくれ」


「えっ・・・?」


古鷹の目から、光が消えた。


「忘れてって・・・どういう、ことですか・・・?」

「提督は、帰ってきてくれるんですよね・・・?忘れろなんて、冗談で・・・」


古鷹の眼からぽろぽろと涙が溢れていく。
潤んだ瞳に映る自分の顔は、驚くほど落ち着いていた。

提督は言葉を続けた。


「古鷹、お前は優しいし、気配りもできる」

「平和になったら、いい家族を持てるさ。きっとな」

「でも、その時お前の隣にいるのは俺じゃない。俺じゃお前を幸せに出来ない」


提督はそう言い切った。そして、抱きしめていた手を緩め、古鷹から離れた。
これ以上いても、辛いだけだった。

古鷹は倒れかけながら、また提督に手を伸ばした。だが、その手が再び届くことはなかった。

古鷹は倒れるように座り込んだ。そして、潤んだ瞳で、提督の背中を見詰めた。

「提督、待って・・・」

提督の背中はどんどん離れていく。

「一緒にいられないのなら、私も、一緒に・・・!」


提督は答えなかった。

廊下の戸を開け、振り返らずに出ていった。

しばらくして、戸の向こうから、古鷹の泣く声が聞こえた。
古鷹が泣くのを、提督は見たことがない。

・・・死んでしまうより、泣かれたほうがいいだろう。

提督は自分の心にそう言い聞かせた。

その後、提督を阻むものは無かった。
もちろん、彼自身の心でさえも。




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