5:名無しNIPPER[saga]
2015/02/16(月) 11:31:43.69 ID:HRAttITz0
「それじゃ、出発」
助手席は私の定位置。初めて車に乗ったとき。まだPさんが自分の車を持ってなくて、事務所の車を使ってたときからずっと。
この位置で、本当にたくさんの話をした。時間は部屋で話した方が多いけど、車内での会話はいつもとは違う大切な思い出。
やっぱり、アイドルの話をしたことが一番多かったと思う。それこそ、最初から。
「なあ、藍子。アイドルをしててどうだ?」
「えっ?」
「そんなに身構えなくていいから。なんというか、ざっくり聞いておきたかっただけだ」
「いえ、ちょうどここで今までお話してきたことを思い出していたので。ちょっと驚いただけです」
「ああ、それで。適当に言ってくれればいいぞ」
「そう、ですね……ずっと走ることに必死で、最近やっと振り返れるくらいの余裕ができましたから」
自分のペースで、だけど必死で駆け抜けてきた一年。今、振り返ってみると――
「でも、初めから私のなりたかったアイドルになれていました。もちろん、今も」
「そうか。みんなを笑顔にできてるか……よかった」
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