過去ログ - 【艦これSS】提督「壊れた艦娘と過ごす日々」08【安価】
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◆oeBS4v7bwY
[saga sage]
2015/03/04(水) 01:20:35.09 ID:Fsi/XqZ2o
睦月「ちょっとだけ。ちょーっとだけ、妬いちゃいますけど。でも、そうしてあげてください」
提督「……、ああ」
睦月「……えへ」
照れくさそうに睦月が、元より赤い頬を更に染めた。
笑う度に、顔を綻ばせる度に、甘い香りが落ちてくる。
そして俺の心から落ちる雫。
睦月の香り、心の雫。それが混ざって、ろ過するように過去に一滴ずつ落ちていく。
それが何だか、不思議な感じがして。
提督「睦月」
睦月「はい」
提督「……ありがとう」
睦月「……っ」
ふっ、と。何かが軽くなった様な気がした。
それが何かは最初分からずに、ついで目をやや開いた睦月の表情が変わる。
唇だけ笑おうと動かしながら、大きな瞳から零れる涙。
そして、雨の降り始めのように落ちた涙を見て。
そこでようやく、自分が今、笑った事に気がついた。
そう思ったときには恐らくもう自分は笑い止んでいた、だろう。
睦月の手に合わせた手とは反対の手で、自分の顔を触る。
そうしたところで、自分が笑ったかどうかなど分からないのに。
提督「俺は、今」
睦月「は、い」
提督「え、っと。笑った?」
睦月「はい……!」
何度も頷く睦月。そうするたびに零れる涙が落ちる。
俺の顔を濡らすそれを、まったく不快だとは思わず、拭う事さえせずに睦月の頬に触れた。
涙の跡でひんやりと冷たく、その後に伝わる暖かさ。
その暖かさにまた過去を見て、少し胸が痛んだけれど。
親指で軽く睦月の目元を拭う。
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