過去ログ - 【艦これSS】提督「壊れた艦娘と過ごす日々」08【安価】
1- 20
881: ◆oeBS4v7bwY[saga sage]
2015/03/04(水) 01:40:15.33 ID:Fsi/XqZ2o

 過去は消えはしない。

 この先も、何をしたって、何をしていたってすぐ裏側に佇んでいるだろう。

 きっと俺は、それが怖くて、それを見たくなくて。逃げるように表情を殺していた。

 だけれどそれは本当に逃避でしかない。

 過去からも、そして目の前の彼女からも逃げて。

 その先に何もないと言うのに、ただただそうしていた。

 確かにそれは、浜風の言うとおり、感傷に浸っているようなものだ。

 過去と言う傷に触れ、痛む心に酔いしれる。

 そんなつもりは自分になくとも、そうしていると言う事だ。

 そんな事をしても、誰も救われないし、浮かばれない。

 過去を弔う事は、過去と別れる事ではない。
 
 かつての自分で、かつてのように彼女たちを想う事。

 正しく向き合って、正しく過去を抱きしめる事。

 それが大和達に対する一番の弔い。

 そしてそれだけが唯一、自分の心の氷を溶かす方法だ。

提督「睦月」

睦月「……」

 そっと睦月が目を閉じる。

 甘い香り。暖かい体。

 確かな愛情。

睦月「ん……」

 頬に当てた手を少しずらし、首許に回す。

 そして優しく手繰り寄せる。

 迷うことなく、ずっと寄り添っていてくれた睦月の存在。

 それは、過去と同じく忘れてはいけない、大事な存在。

 笑った日々。笑えなくなった日々。再び笑おうと思った日。

 立ち直って過去を弔うと同時に、立ち直って彼女の傍に立つこと。

 それは何より大事な、睦月への想いになる。


 生きて大和達を弔う。

 睦月と一緒に。


 今度こそ失わないように。今度こそ放さないように。

 三度目の口付けは、初めて自分から向けたものだった。



【睦月の好感度が150になりました】




<<前のレス[*]次のレス[#]>>
1002Res/295.87 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice