33:名無しNIPPER[saga]
2015/02/23(月) 23:06:39.05 ID:vp/MiubgO
「あ……」
やってしまった。怖がらせるつもりはなかったのだけれど。
女の子も、しまった、という表情をしている……と、思う。髪で隠れてよく見えないけれど。
「ごめんなさい、ありがとう」
お礼を言って、ゆっくり手を伸ばす。
受け取るように手のひらを上に向けて、そこにおけるように。
女の子はおずおずと袖の中に隠れたままの手を伸ばして、こちらへ手袋を渡した。
「あ、あの……」
「……あなたの瞳が気になって。つい」
思っていることをつい口に出してしまう。時には、そのまま行動にまで出てしまう。
それは私の昔からの悪い癖で、気を付けなければと思っている。思っている、のだけど。
「……瞳、私、の?」
「なんだか、綺麗だなぁ……って」
「そ、そう……」
女の子が少し照れくさそうに笑う。
前髪でよく見えないのが惜しいな、と思った。
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