41:名無しNIPPER[saga]
2015/02/24(火) 00:39:56.65 ID:uK/wtf6FO
いつかぶりに見た夢だけれど、なんとなく覚えている。
顔も知らない誰かが私を迎えに来る夢。お姫様になった私とキスをする夢。
だけど今日は顔も知らない誰かの顔に靄がかかってよく見えない。
おや、と思って自分の顔を触ったら、右目には眼帯がかかっていた。
「……あなたの顔がよく見えません」
顔も知らない誰かにそういうと、その誰かさんはとても残念そうな顔をした……ような気がする。
申し訳なくなって眼帯を外そうとすると鈍い痛みが走るので、外してはダメなのだ、と理解した。
そういえば、この夢はこの「誰か」との幸せなキスで終わるはずだけれど。
このままでは口がどこにあるのかもわからないし、夢が覚めないのではないだろうか。
目の前の「誰か」はどうやらなにもできないらしくまごまごと困るばかりだ。
そうこうしているうちに「誰か」は靄といっしょに薄れて消えてしまった。
「……どうやって帰るのかしら?」
夢の中でお姫様になったままの私は途方に暮れてしまう。
「誰か」はいなくなってしまったし、ここはキラキラしているけれどとても寂しい場所だ。
何かきっかけがつかめればともう一度眼帯に手を伸ばすと、今度はすんなりと外せた。
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