1:名無しNIPPER
2015/02/18(水) 22:38:35.08 ID:OtqEarQg0
結構昔、おおきなおおきな木がありました。
その大きな木の下では女の子が眠っていました。
この女の子、ほんの100年前まではしっかりと起きて木の管理をしていたのですが、
ある日木に花が咲いたときに
「私の役目は終わった」
なんて勘違いをしてしまいました、女の子の役目は木に実をつけることなのに。
女の子はこの勘違いに気づかずにずーっと木をほったらかして眠り続けました。
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2:名無しNIPPER
2015/02/18(水) 22:39:04.23 ID:OtqEarQg0
女の子が眠ってから大体1500年ほどたちました。
木の周りには「ヒト」がうまれ、ヒトは木を神様と崇め、讃え祀りました。
ヒトは木を中心として瞬く間に発展していきました、木の周りには大きな町ができて、その真ん中には大きな噴水。
大きな争い事もなく、ヒト達は取り敢えず平和でした。
3:名無しNIPPER
2015/02/18(水) 22:39:39.14 ID:OtqEarQg0
人たちがまあまあな生活をしている中、女の子はやっと長い昼寝から目を覚ましました。
目を覚ました女の子は、「周囲に広がる大きな町」や、「平和そうに暮らすヒト達」よりも何よりも「木の生長」に驚きました。
「大きくなったなー」
なんて呟きながら、1600年ぶりの再会に喜んでいました。
まあ再会と言ってもずっと隣にいたんですけどね。
4:名無しNIPPER
2015/02/18(水) 22:40:30.74 ID:OtqEarQg0
さて、場所は変わってここは町、大きな木に一番近いパン屋の中では今日も一人の青年がせっせかと働いていました。
このパン屋、とてもおいしいと評判だけれども店長である青年が変わり者なせいで売り上げがいいとは言えませんでした。
とてもとてもおおきな木に水を上げたり、「枝が多くて大変だろう」なんて言って枝を切ろうとしたり、「いつでも見られるように」と木に一番近い場所にパン屋を立てたり、などなど町のヒトからみたらとてもおかしな行動ばかりとっていました。
5:名無しNIPPER
2015/02/18(水) 22:41:12.06 ID:OtqEarQg0
この日も、日課の木の水やりを行っていると、途中で見知らぬ女の子と会いました、
大きな町といえど、大体来る人は同じなので、見知らぬ人は結構目立ちます、青年は
毎日来ているので、なおさらそれが分かりました。
一瞬声をかけようか迷いましたが、その必要はないようでした、向こうのほうから先
に話しかけてきたので。
6:名無しNIPPER
2015/02/18(水) 22:41:41.41 ID:OtqEarQg0
「なあ、君。」
「僕のことかな。」
「ああ、その妙なじょうろを持った君のことを呼んだんだ。」
「どうかしたの?このあたりでは見ない顔だけど。」
「見ないのも無理はないさ、僕も君らの顔を見るのは初めてだ。」
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