過去ログ - パンが食べたかった女の子の話
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13:名無しNIPPER
2015/02/18(水) 22:45:44.85 ID:OtqEarQg0
「どこで字を覚えたんだろうなあ」
そう言って青年は少しだけ涙を流しました、大泣きしてしまえば、女の子に笑われる
と思ったからでしょうか。それでも、涙だけは止まりませんでした。


14:名無しNIPPER
2015/02/18(水) 22:46:25.99 ID:OtqEarQg0
女の子がいなくなってからの青年は、別に大きく変わりませんでした、
魂が抜けて仕事が手につかないわけでもなく、いない少女の影を追いかけるわけでもなく、
ただ普通の青年に戻っていました。



15:名無しNIPPER
2015/02/18(水) 22:46:53.89 ID:OtqEarQg0
それから一年後


16:名無しNIPPER
2015/02/18(水) 22:47:44.22 ID:OtqEarQg0
青年は元気でした、日課の木の水やりを欠かさず行い、それなりにお客が増えたパン屋でせかせかと働き、
毎日をまあまあ楽しく生きてきました。
それでも時折、木を見て女の子との毎日を思い出し、切なくなりました。


17:名無しNIPPER
2015/02/18(水) 22:48:15.60 ID:OtqEarQg0
やがて、木に実がなりました、木の周りには、たくさんの動物が集まりました。
青年に見せるには少し、時間がかかりすぎてしまったみたいです。
女の子は少しだけさみしそうな顔をして、呟きました。
「なんだかパンが食べたいなあ、ふわふわのあまあいパンが」
誰も、それには答えませんでした。


18:名無しNIPPER
2015/02/18(水) 22:48:43.51 ID:OtqEarQg0
また、少女は眠りました、今度は目覚めないように、しっかりと寝床に鍵をかけて。


19:名無しNIPPER
2015/02/18(水) 22:49:37.50 ID:OtqEarQg0
青年が木にもたれかかって本を読んでいました、女の子は、その横でパンを食べています。
それがいつのことなのか、木だけは知っているのでしょう。


20:名無しNIPPER
2015/02/18(水) 22:50:03.36 ID:OtqEarQg0
おわり


21:名無しNIPPER[sage]
2015/02/19(木) 02:07:20.26 ID:UuqxgeQq0



22:名無しNIPPER[sage]
2015/02/25(水) 00:59:28.87 ID:y/f8Dr4GO

よかった


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