2:名無しNIPPER[saga]
2015/02/20(金) 02:20:04.78 ID:YN4vLNeW0
久「さ、明日の決勝についての話し合いを始めるわよ!」
消えてしまいたくなるディスカッション。
ただ怯える子供のように、他の部員の皆が集まるテーブル横へと私は歩を躊躇った。
逃げる場所は何処にもないの?と、自問するも。
控え室の狭い空間に私の逃げ場所はない。
彼女と明日対面することは間違いない。明日までには時間もない。
親愛の姉だった、私の姉である宮永照とは否応なく明日顔を合わせなければならない。
意は決したはずだった。もう、きちんと意思も伝えたはずだった。
それでも、実際にまた彼女と会い。また背を向けられたら…
和「大丈夫ですか?咲さん…」
私の様子がおかしいのを察した和ちゃんが私に不安そうな表情で尋ねる。
姉との確執を知っているのは和ちゃんだけだが、その全貌は誰にも話していない。
両者間でサティスファクションだったはずの恋。そこから訪れた彼女との別れ。
和「体調が悪いのなら、横になって休んでいた方が良いのでは…」
だが、これ以上自分のワガママで他の部員の皆に迷惑をかけるわけにはいかない。
咲「ううん…。大丈夫だよ、和ちゃん。今行くね」
重い足取りで皆の元へと向かう。
スクリーンには、最愛の人の横顔が大きく映し出されていた。
この世で一番愛した人。それでも、二度と会いたくない人。
久「えーそれじゃ、まずは先鋒から…。宮永照!とにかく厄介な相手ね…対策は…」
部長が何か言っていたが、私はひたすらスクリーンに釘付けだった。
…いつも澄ました顔しちゃって。
何も言えない私は心の中でそう呟く。
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