過去ログ - 照「ツメタイカゲロウ」
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52:名無しNIPPER[saga]
2015/02/20(金) 12:40:11.97 ID:YN4vLNeW0
ごめんなさい、起きて読み直したら一レス分抜けてました。
>>37>>38部分にこんなのもあったって解釈でお願いします。


そのまま白糸台の控え室に戻ることはなく、私が寄ったのは選手共有の仮眠室。

醜態を隠すために一目散に布団に潜ると、そこはもう私だけの世界。

自然に目を閉じると、先程までの情景が再び浮かんでくる。

手が届く距離にいたのに。決して今の私には手が届かないもの。

自ら置いてきてしまったもの。


やっぱり本当は、夢か幻なんじゃないだろうか?


人一倍効くようになった私の鼻腔を、記憶の中の彼女が。

数年ぶりに嗅いだ彼女の香りが、現実をくすぐる。

叶うことなら、このままそっと。ただ彼女の香りで眠り。

目覚めずに夢を見て、朝が来れば良いのに。

理想の中でありもしないはずの世界だけが、広がる。

彼女を求めて伸ばす左手が、虚しく空を切り。

彼女を求めて伸ばす右手は、私の色欲を満たすべく花を湿らせた。


手をかざしても。届かない。

冷たい、冷たい陽炎。




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