21:名無しNIPPER[saga]
2015/02/22(日) 03:22:15.56 ID:N1fLZgZO0
アナウンスに合わせて市民たちが非難の声を上げるが、トレードはすべてを無視してジツに集中する。実際彼の
フドウカナシバリ・ジツは強力ではあるが、ニンジャ相手にはその威力の調整が難しいのである。
「……その、ジツで……あなたは、今まで……なにを……」
「そうだな、生まれ変わる手土産に教えておこうか。私の主は人を商品とした仕事をしていてな、特に芸能人は良い
マニーになる。ドリンクにもな。その時以前の人生の記憶など不要ゆえ、このジツで新しく生まれ変わらせていた」
「つまり……交渉というのは……その仕事が上手くいかないから、商品確保のための交渉ですか……?」
「察しが良いな。ますます欲しくなったぞ。……なに、次に目覚めた時は貴様は私を主と認めている。心配ない」
少々喋りすぎてしまったと気づいたトレードは、これ以上は時間の無駄だとフドウカナシバリ・ジツの調整を
完了させると、アヤメの瞳を覗きこむ。するとトレードの瞳から発せられる紫の光がアヤメの瞳にも灯り、
彼女の身体を侵食していく。ヒトミを助ける事も出来ず、もはやこれまでなのか!
(……なんだ?)
だがここで、トレードは奇妙な違和感に気付く。アヤメの瞳を覗き込み、ジツは上手く作用しているはず。
なのにアヤメの精神に侵入できているという感覚がない。まるで、入ったはいいがそれ以上先に進めない洞窟めいて、
ジツの侵食が進まなくなっているのだ。
「……ふ、ふふ」
困惑しているトレードの姿を見て、ジツをかけられているはずのアヤメは笑った。……笑った?
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