22:名無しNIPPER[saga]
2015/02/22(日) 03:22:48.81 ID:N1fLZgZO0
「ナンデ?」
「種明かし、してみせましょう」
瞬間、トレードがジツをかけていたアヤメの姿がぼやけ始め、彼が驚き間合いをとった時には、すでにその姿は
幻めいて霧散してしまっていた。……つまり、完全にいなくなってしまったのだ!
「消えた……だと!?」
『これは、どうしたことでしょう!? 先ほどまでいたアヤメ=サンが突然その姿を消してしまいました!
一体どこに行ったのでしょうか! なお、これも映画技術を使っておりますのでご安心ください』
「消えた」「スゴーイ!」「ニンポかな!?」
アナウンスも、周りを囲んでいた市民も、アヤメが消えたことは見ていたがどこに行ったかまでは分からない。
市民たちはそれを喜び興奮するだけで済むが、相対していたトレードにとってみれば恐ろしいことこの上ない状況だ!
(馬鹿な、さっきまで触れた感触も気配もそこにあったんだぞ! しかもジツを使える暇などなかったはずだ!
どこだ、どこに行ったアヤメ=サン!)
市民の中に紛れ込んだのかと意識を集中するが、それらしい気配は見つからない。あの一瞬でそう遠くに行ったとは
考えられないトレードは、さらに広く市民を観察するために距離を取り、五重塔の入り口辺りにまで戻ろうとする。
……その時、空から一つの影が落ちてきた。最初に気づいたのはチヒロであった。
『……五重塔からなにかが飛び降りました! 皆様、上をご覧ください!』
「上?」「上だって」「え?」
(上だと? 馬鹿な、上には攫った娘以外誰も…………!?)
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