15:名無しNIPPER[saga]
2015/02/23(月) 15:24:33.12 ID:zW0LuoBg0
…………
……
…
「P、P、待て……待って……!」
「ん? 悪い悪い、少し早かったか」
外に出ると少し強い風が吹いていた。
気温はそんなに寒くないはずだけど、風のせいで体感温度はとても低い。
Tシャツにパーカーだけだと、足りなかったみたいだ。撫でる風が容赦無く体温を奪っていく。
少しでも暖かさが欲しくて、私は彼の腕に抱きつく。
「お、おい、恥ずかしいだろ」
「寒いんだ……す、少し我慢しろ……いいだろ?」
困惑した声だったけど、腕を振りほどこうとはしない、ならきっとダメじゃないってことだ。
親友はあったかくていい。
そう呟くと彼は恥ずかしそうに頬をかく。
彼の歩幅が小さくなって、歩くペースもゆっくりになった。
私に合わせてくれているのだろう。彼の優しいところに触れて心まであったかい、これは私だけのものだと嬉しくなる。
何も喋らずにただ一緒に歩くことが楽しいのはきっと親友だけだしな。
他の人だと私はきっと死んでしまう。何を喋っていいのかなんて分からずテンパって混乱して、死ぬ、多分。
だから、やっぱり親友はいいな。
親友って、素敵だ。
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