過去ログ - 【艦これ】提督「全ての艦娘を落としてやる」
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1:名無しNIPPER[sage saga]
2015/02/22(日) 23:17:10.39 ID:esIcLNZHo
前作もよろしければご覧頂けると嬉しいです。今回と繋がりはありませんが。

叢雲「私のバレンタイン・デイ」
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2:名無しNIPPER[sage saga]
2015/02/22(日) 23:18:19.01 ID:esIcLNZHo
「失礼するぜ」


ノックもなく、扉が開かれる。女の、しかし威勢のいい体育会系の声だ。

以下略



3:名無しNIPPER[sage]
2015/02/22(日) 23:18:53.25 ID:esIcLNZHo
「天龍、水雷戦隊。おめーの命令通り、帰投してやったぜ」


提督である俺をあえて『おめー』呼ばわりし不機嫌な表情を作って。
先に入室してきた—-天龍と名乗った少女—-艦娘が俺を睨む。
以下略



4:名無しNIPPER[sage saga]
2015/02/22(日) 23:20:05.41 ID:esIcLNZHo
言葉の激しさとは裏腹に、天龍の眼は努めて冷静で、俺を見極めんとしている。

両腕を組んで、少しでも自分を大きく見せようとしているのだろうが、その効果が出ているのかは疑問だ。


以下略



5:名無しNIPPER[sage saga]
2015/02/22(日) 23:20:54.17 ID:esIcLNZHo
「あらあら、天龍ちゃん。提督に対してそんな言葉遣い、駄目じゃないの〜」


天龍の後ろに控える艦娘、龍田がちっともすまなそうじゃなく、そう発言する。

以下略



6:名無しNIPPER[sage saga]
2015/02/22(日) 23:21:32.27 ID:esIcLNZHo
「何だか、不機嫌な様だな。天龍?」
「・・・あたりめーだろ」


天龍に水を向けると、あっさりと食いついてくる。
以下略



7:名無しNIPPER[sage saga]
2015/02/22(日) 23:22:23.73 ID:esIcLNZHo
バン、と大きな音がする。


さっきまで組んだ両手を執務机に叩きつけて、天龍が叫ぶ。

以下略



8:名無しNIPPER[sage saga]
2015/02/22(日) 23:23:01.39 ID:esIcLNZHo
それにしても、天龍は不器用な方だと思っていたから驚いた。

中々の役者だ。演技にしては十分。

龍田はもう、形だけでも止めようとしない。
以下略



9:名無しNIPPER[sage saga]
2015/02/22(日) 23:23:47.20 ID:esIcLNZHo
ひと呼吸置いて、呟くように俺は言った。

「電、暁。この二人の損害を見て、撤退を判断した」


以下略



10:名無しNIPPER[sage]
2015/02/22(日) 23:24:39.60 ID:esIcLNZHo
でも、それは彼女たちだけ。随伴艦たちは違う。


「二人は中破。おっと、雷も小破しているのか。ドックから報告が入っているよ」

以下略



11:名無しNIPPER[sage saga]
2015/02/22(日) 23:25:19.37 ID:esIcLNZHo
天龍の顔は、相変わらず作ったような仏頂面だ。

だけれど、甘い。

表情は変わっていなくても、眼に明らかに安堵の色が灯っている。
以下略



12:名無しNIPPER[sage saga]
2015/02/22(日) 23:25:59.54 ID:esIcLNZHo
「何だって、重要なことだろう。駆逐艦の子達が損傷を負っているんだ。戦闘の継続は困難だっただろう」
「俺らは、まだ戦えた。あのまま戦闘を続けていたら、間違いなく敵を全滅させていたはずだ。そうだろ、龍田!?」


天龍が振り返って、後ろの龍田へ話を振る。お前も協力しろ、ということか。
以下略



13:名無しNIPPER[sage]
2015/02/22(日) 23:27:10.76 ID:esIcLNZHo
そうは言っても、と口に出して。
俺は困惑の表情を作る。


まさか自分の判断が批判されるとは思っても見なかった、という表情を。
以下略



14:名無しNIPPER[sage saga]
2015/02/22(日) 23:27:53.30 ID:esIcLNZHo
「あの状態のまま・・・『中破』のまま追撃を開始していたら、沈む可能性だってある」


だが、俺は気づかないフリをして続ける。
きょとん、とした天龍の間抜けな表情に、気づかないフリを。
以下略



15:名無しNIPPER[sage saga]
2015/02/22(日) 23:28:42.10 ID:esIcLNZHo
「俺は、君たち艦娘を犠牲に・・・轟沈させてまで、勝利を得たいとは思えない」
「だが、お前は違うのか。天龍。」


あちゃあ、そういう事か、と呟いて。
以下略



16:名無しNIPPER[sage saga]
2015/02/22(日) 23:29:22.54 ID:esIcLNZHo
「あのう、提督?」


いささか不安げな声。
もう演技を続ける気は無いようで、素の表情を覗かせている。
以下略



17:名無しNIPPER[sage saga]
2015/02/22(日) 23:30:05.02 ID:esIcLNZHo
「なんだ、意見があるなら言ってみろ。大切な仲間を犠牲にする事を正当化する意見があるならな」
「提督は多分、勘違いしているんじゃないかなあと思う」


申し訳なさそうに、探るように、天龍。
以下略



18:名無しNIPPER[sage saga]
2015/02/22(日) 23:30:59.09 ID:esIcLNZHo
「提督、進軍や追撃をした時に轟沈の危険性があるのは『中破』じゃなくて、
『大破』状態からなんだ・・・多分、勘違いしてただろ?」

「へ?」

以下略



19:名無しNIPPER[sage saga]
2015/02/22(日) 23:32:06.80 ID:esIcLNZHo
ああ、やっぱりなと呟く天龍はもう、はにかんだ様な笑顔を覗かせている。


対して間違いを犯した『新任提督』は焦る。

以下略



20:名無しNIPPER[sage saga]
2015/02/22(日) 23:32:58.40 ID:esIcLNZHo
「天龍の意見が正しいわ。昔は『中破轟沈説』が取られたこともあるみたいだけれどね」

「俺が読んで勉強した資料は、相当昔に作られたものだった、ということか・・・」


以下略



21:名無しNIPPER[sage saga]
2015/02/22(日) 23:33:46.11 ID:esIcLNZHo
「すまなかった、天龍。俺の指示が間違っていた!」

「いや、オレはてっきり無意味な指示を出したと思っていたもんだからよ、もういいよ」


以下略



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