5:名無しNIPPER
2015/02/23(月) 23:59:05.33 ID:kJn+9inAO
そして姉はついに外の世界へと飛び出しました。
僕は何も言えず姉へ伸ばした手を下ろしました。恐らく僕は手を伸ばしても触れることはできなかったと思います。
姉の鳥籠になろうとしてももうすでに飛びだったあとでした。
そして姉は、働きだしました。喫茶店のウェイターらしいです、その時にはもう姉の中に蔓延っていた闇は消えていたと思います。
もう僕たちが二人で誓いあったことも約束も、繋がった夜ですら彼女の中では葬り去りたい過去ということになってしまったのだと思います。
そして姉の近くにはあの男がいた。もう僕にとっての姉は終わってしまったのかと思ったのだが、そうではなかったのです。
姉は汚い物をみたくなかった、だが飲食店で働くには決して避けて通れない物があった。
それは検便であった。
姉は僕を疑うことはしなかった、それは罪悪感なのか、いや罪悪感すら彼女は覚えていないのかもしれない。
彼女はこんな僕をまだ信頼していたのかも知れない。
「ゆうちゃん、これどうするの?」
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