過去ログ - 「彼女は景色を食事とすることが出来た」
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名無しNIPPER
2015/02/25(水) 00:20:36.90 ID:Nu+X4rGi0
俺は彼女と一緒に食事をするのが好きだった。
二人とも仕事が休みの日は一人分の弁当を持って遠出をする。
彼女の作ったおにぎりを頬張りながら、二人でじっと地球を見ていた。
景色を見ている間、やっぱり彼女は何も言わないけれど、きっとそれは目の前の壮大な料理をよく味わって食べているのだ。
また彼女は好んで美術館に行った。
展示してあるガラス細工は砂糖菓子の様な味がする。
二人で覗きこむとくにゃりと曲がった姿が写り込んで、彼女は俺の味がすると言って笑った。
よく覚えておけ、それは生涯口にすることになる味だぞ。
おどけると彼女はそうかもね、とまた笑顔になった。
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