22: ◆8HmEy52dzA[saga]
2015/02/25(水) 21:08:55.77 ID:DLa1I0Qh0
「水谷、お前が一人を選ぶならそれもいい。僕は止めない」
言って、しゃがみながらわたしと目線を合わせる阿良々木さん。
「……他人と接するのは、怖いよな。仲良くなれることよりも、嫌われる恐れの方が遥かに大きい」
そう、阿良々木さんの言う通りだ。
誰かと仲良くなることは嬉しい。
勇気を出して飛び出した先に、涼さんや愛ちゃんみたいな素敵な友達も出来た。
でも、だからこそ、それらを失うのが怖い。
今回は上手くいったけれど、次も上手くいくとは限らない。
この先、とても長い人生、悲しい思いをしたくないと願うわたし、間違ってる?
「……でもさ、水谷」
言って、阿良々木さんは泣きそうな顔で、
「友達を、理由にするなよ」
「友達……?」
涼さんと愛ちゃんの顔が思い浮かぶ。
わたしは、あの二人を理由にここに引きこもっている……?
と、
「…………なに?」
「どうした、水谷」
「何か……聞こえる?」
壁の向こう側から、一定のリズムで音が聞こえた。
とんとん、とノックに似たその音は次第に大きく、暴力的な響きへと変わっていく。
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