過去ログ - 【安価・コンマ】七つの家で聖杯戦争Ⅱ【募集系】11　八日目・朝（聖杯問答）～ -SS速報VIP

過去ログ - 【安価・コンマ】七つの家で聖杯戦争Ⅱ【募集系】11　八日目・朝（聖杯問答）～

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343: ◆BX96/KwFHU[saga]
2015/02/27(金) 20:14:00.48 ID:aqWNTEFWo
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　【来歴２】
　生みの親を喰らった直後。
　名も無き獣は、「自身の完成」をすべき事だと本能的に“確信”する。
　理性も知性も獣並であっても、それだけは理解している。
　故に“獣”は。 .・ .・ .・ .・・　・ .・ .・・ .・・
　手始めに――その一帯を、血肉に変えた。

　飢えは既に非ず。
　けれど、魂の渇きは未だ深刻で。
　“足りない”。この程度を取り込んだところでは、遠く遠く届かない。

　だから食べる。だから喰らう。
　それはまさに一種の災害。幾つかの街が、地図から消えた。

　それでも“足りない”。
　足りない。たりない、タリナイ、足りない！

　「山から降りてきた獣」の討伐に繰り出した武装集団に銃口を向けられた。食べた。
　魔力を感知したとある魔術師が捕まえようとしに来た。食べた。
　代行者に狙われた。食べた。
　執行者に襲われた。食べた。

　……それでも、“足りない”。

　追手を撒き、喰い続けて。
　その結果。“実験体”は、ヒトのような肉体を得ていた。
　「捕食できた優秀なモノ」の大半は人間だったから、これも必然ではあるのだろう。
　理性を得て。知性を得て。“彼女”は、その極致へと近づいて。

　それでも“足りない”。
　それでも未だに、足りなかった。

　かつてよりは潤っている。多少は満たされた。
　けれどやっぱり届かない。ちっとも“完成”には至らない。

　思考能力を手に入れたから、考えてみた。
　「他者と触れる事で、満たされるかもしれない」。彼女にしては珍しく、人間的な想いを抱いた。
　『火宮』という一族に拾われて。良い機会だからと、試してみた。
　けれど。

　「――ああ、残念」
　「思っていたよりも、得るものは無かったみたいですね」

　渇いていって。何一つ、満たされなくて。
　だから、最後に潤した。少しだけれど、“捕食”した。

　「えへ。戦いたいのは山々ですけど」
　「あんまり派手にやって、余所の人に目を付けられるのも馬鹿らしいですし」
　「それに、貴方を倒す（たべる）のは、ちょっと骨が折れそうですから――……」

　そう言って。
　頬に付く返り血にそぐわぬ、愛らしい笑顔を浮かべて。
　その“怪物”は、姿を消した。

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　【補足】　　　　　ﾓﾝｽﾀｰ
　半チートの腹ペコ狂犬、火宮菫（ヒノミヤスミレ）。
　経験も経験値も能力も才能も、全部まとめて「頂きます」。

　家系が「０」なのは、元はただの「実験動物」だったから。
　運は基本悪いけど、大抵の場合はその運命自体を力で無理やりねじ伏せてる。

　“本能”が十全以上に生きているため、獣としての感覚も非常に鋭い。
　なので「嫌な感じ」を感じ取ったら即逃亡する。本当は叩ッ斬りたいけど事後処理が面倒なので逃げる。
　でも沸点低めだからイライラが勝ればグチャーだけど。

　ケモミミは“実験体”時代の名残。

　元ネタ（ベヒモス）的に、生まれた直後は雄だったのだが、
　選り好みする思考も無く喰らってた頃の被害者の多くが女性だったので性別が変わった、という裏設定。
　また、捕食した生命体のほとんどが人間だったので、
　現在におけるその“存在”の七割以上は（人外レベルだが）人類と同じモノになっている。

　なお、現在の名前はかつて火宮家でお世話になっていた時に付けてもらったもの。
　（彼女曰く）あの馴れ合いの空気は嫌いだが、名前の響きは気に入ってるので現在も使っているのだとか。

　外見の割に歳はそれなり。別にそれを気にするキャラでもないけど。

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